専門職大学等の認可申請

専門職大学は、2017年5月に学校教育法の一部改正が成立し、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関として創設され、2019年4月から開設されることになりました。文部科学省は12月21日、2019年度開設予定の設置認可申請のあった専門職大学13校・専門職短期大学3校を公表しました(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/attach/1399756.htm)。

専門職大学はITや観光などの成長が見込まれる分野における牽引役を担う人材の育成を目的としていますが、今回認可申請のあった16校の分野を専門学校の分野別でみてみると、工業分野が1校、医療分野が10校、衛生分野が2校、商業実務分野が1校、服飾家政分野が1校、文化教養分野が1校となります。IT関係については国際工科専門職大学の先端情報工学科がある程度で、医療分野のリハビリや柔道整復系が多い結果となっています。

今回認可申請した16校のうち5校は東京モード学園、HAL東京、首都医校などの専門学校を経営する学校法人日本教育財団が申請しています。専門学校に新たに「職業実践専門課程」が認定されたときにも、東京・名古屋・大阪の系列専門学校が職業実践専門課程に認定されましたが、基本情報、自己点検評価、学校関係者評価、財務報告についてはホームページで情報公開しなければならないにもかかわらず、情報公開していなかったため、文部科学省で開かれた会合で、認定条件に違反し問題であり、指導すべであると指摘したことがあります。その後、一時、各専門学校のホームページではなく学校法人のホームページで公開しましたが、報告書は印刷できず、現在はまた非公開になっています(2017年12月22日現在)。こうした法令遵守をしない学校法人が専門職大学の認可申請をすることに疑問を感じています。

リクルートマーケテイングパートナーズが2016年に高校教員を対象にした調査では、専門職大学について、「名前も内容も知っている」が20.9%、「名前は知っているが内容は知らない」が43.7%であり(https://resemom.jp/article/2017/02/14/36517.html)、高校での関心はそれほど高くないのが現状です。
専門職大学については、東京でも、学校法人電子学園(日本電子専門学校を経営)が墨田区と提携してITCに特化した専門職大学を2020年に開学する構想が新聞報道される(『朝日新聞』2017年12月18日朝刊、『専門学校新聞』2017年12月号など)など、注目されつつありますが、高校現場では、専門職大学が認可になったあとにならないと関心は高まらないかも知れません。

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(『朝日新聞』2017年12月18日朝刊

高校現場では、アカデミックな教育を職業教育より上に見る傾向があり、大学には関心を持っていても、専門学校には見向きもしない傾向が強くなっています。専門職大学が創設されることにより、そうした傾向に風穴を開けて欲しいと思っていますが、そのためには認可申請した大学が、既存の大学にはない特色ある充実した職業教育を行う必要があります。大学設置・学校法人審議会には、加計学園の獣医学部新設のように時の内閣に忖度して認可をするようなことはしないで、厳正に審議をしてほしいと思っています。 

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