加計学園獣医学部新設へ

安倍晋三首相の腹心の友である加計孝太郎が理事長を務める学校法人「加計学園」が運営する岡山理科大学の獣医学部新設をめぐり、林芳生文部科学相は11月10日、大学設置・学校法人審議会が新設を認める答申をした、と発表しました。林文科相は「答申を尊重し、速やかに判断する」としており、獣医学部は疑惑の解明がないまま、来春開設する見通しとなりました。(『朝日新聞』2017年11月10日夕刊)

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。『朝日新聞』2017年11月10日夕刊
  
規制を緩和する国家戦略特区制度の下で、愛媛県今治市に岡山理科大学獣医学部の新設をめぐっては、その選考過程において、「政府のご意向」があり、「加計ありき」ではなかったのかという疑惑は解明されていません。
公平、公正であるべき行政手続きがゆがめられてのではないかと疑われている以上、今治市や愛媛県、そして開設されれば国から多額の補助金が投入される開設は凍結すべきです。

大学設置審では、高等教育機関としてふさわしいかどうかを学問的見地からチェックすることですが、審査の過程でも、実習計画について「人獣共通感染症に関する内容を学ぶ実習施設がない」、病院での実習で「診療手体制や診療頭数が確保されているか不明」、教員組織についても「高齢層に偏りがある」など多くの指摘がなされ、先進的な教育研究が出来るか疑問が突きつけられていました。はたして大学設置審の専門委員は、学問的見地から真摯にチェックして認可答申を出したのか疑わしいと言うほかはありません。官邸に忖度したのではないかという疑いもあります。
大学設置審では、特区の事業者に加計学園が選ばれた過程を検証する権限はなく、政府が閣議決定をした「既存の獣医師養成ではない構想」「ライフサイエンスなど新たな分野の需要」「既存の大学では対応が困難」「近年の獣医師の需要動向を考慮」という4条件が本当に満たされているのかという検証もされていません。
北海道大学は学生定員80人に対して教員100人弱、これに対して加計学園は学生定員140人に対して教員75人。これで本当に既存の大学以上の教育研究ができるとは到底思えません。

安倍首相や周辺は疑惑を否定していますが、加計孝太郎理事長の証人喚問を含め、国会は真相を徹底的に究明する必要があります。国民の理解を欠いたまま学部新設を認めることは、大学界の信頼、学問の信頼さえ失いかねないことを肝に銘じるべきだと思います。

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