私立高校生への支援拡充

東京都の小池百合子知事は1月16日、私立高校生への支援を拡充する方針を明らかにしました。年収760万円未満の世帯を対象に、都内私立高校の平均授業料44万2000円を上限に授業料を助成するもので、2017年度予算案に新制度による上乗せ分を盛り込むとしています。

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『東京新聞』2016年1月17日朝刊

民主党政権時代の2010年度から公立高校の授業料(年額11万8800円)無償化(私立高校は就学支援金の支給)が実施されました。しかし、安倍政権になってからの2014年度からは年収910万円未満という所得制限が導入されたことにより、「社会全体で子どもたちの学びを支える」という理念は放棄されました。

東京都内の高校は私立高校の割合の方が多く、私立高校の授業料は高いとはいえ、私立高校に通学する生徒の家庭層がすべて所得の高い層とは限らないのが現状です。私が在職していた高校も私立でしたが、偏差値輪切りで中学校の進学指導が行われているなかで、私立を専願で来た生徒の中にも、都立への進学を希望していても成績的に難しいとして私立を選ばざるを得なかった生徒や、都立が第一希望で都立を受験したけれども受からなかったために私立に入学した生徒も少なくありませんでした。したがって私が在職していたころには、生徒の保護者に授業料の一部を助成する私立高等学校等授業料軽減助成金を申請する家庭も少なくありませんでした。
そうした現状からいえば、今回の都の私立高校生への支援拡充は一歩前進とは言えますが、本来的には全ての生徒が親の年収にかかわらず授業料を無償にすべきです。日本では教育は自己責任とする考え方が強くありますが、欧米のように「社会全体で子どもの学びを支える」という考え方に立ち、授業料無償化に向けてもっと国や自治体が教育にお金をかけることが求められています。

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