福島原発事故 正確な情報を

『朝日新聞』4月4日付朝刊の「声」欄にフリーライターの佐々木紅児さんが、公共広告機構(AC)の金子みすゞの詩「こだまでしょうか」をもじって、こう書いています。

「大丈夫?」って聞くと、「大丈夫」と言う。「安心していい?」って聞くと、「安心していい」と言う。「心配ない?」って聞くと、「心配ない」と言う。それでも不安になって「安全なの?」って聞くと、「安全だ」と答える。聞き間違いでしょうか。いいえ、昔から。

佐々木さんは、「あまりの空虚さに憤りを覚える」とし、「いま必要なのは、正確で正直な情報を余すところなく公表することだ」と主張しています。

原子力発電所の「安全神話」は崩壊しています。
4月7日の23時過ぎの大きな余震では、女川原発でも、微量の放射性物質を含む使用済み核燃料プールの水が建屋内にこぼれ、また、外部電源3系統中2系統が遮断され、一時燃料プールの冷却機能が停止する事態になりました。もし3系統とも電源が途絶した場合には、福島第一原発の二の舞になりかねないところでした。

福島第一原発の事故の現状についても、どういう現状にあり、事態が改善されているのか、されていないのか、さっぱりわからない状態です。「止める」「冷やす」「封じ込める」の三鉄則のうち、「止める」は出来ているものの、「冷やす」方策はきわめて不安定な状態で、冷却システムの復旧のメドはたたず、「封じ込める」方策は、今回、意図的に放射能汚染水を海へ放出し、放棄されています。事態は、良い方向にはむかっいてないというのが、率直な印象です。

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津波で浸水した福島第一原発(青色部分)(YOMIURI ONLINE 2011年4月9日)

海洋汚染については、今後、モニタリング調査など監視を徹底し、素早く情報を公開する必要があります。また、空中に放出された放射性物質についても、気象庁の拡散予測はようやく公表されるようになりましたが、文部科学省の拡散予報システム「SPEEDI」の情報は、3月23日に1回だけ公表されただけで、いっこうに公開されていません。災害時に役立てられるべきシステムが機能していないのでは何の意味もありません。

放射性ヨウ素やセシウムなどが検出されても、「直ちに人体に影響はない」などと説明するよりも、正確な数字を公開することが、安心できるモノサシになります。「SPEEDI」の機器が壊れているなら早急に整備し、情報は直ちに公開していくべきです。

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