塀の中の中学校

長野県松本市の松本少年刑務所内に実在する、日本で唯一の受刑者のための公立中学校-松本市立旭町中学校桐分校を舞台にしたドラマ「塀の中の中学校」(脚本・内館牧子)が10月11日、TBS系で放送されました。

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       http://sankei.jp.msn.com/entertainments/media/101005/より

舞台となった旭町中学校桐分校は、1955年に設立されますが、それは、当時、255人の青少年受刑者のうち200人が義務教育未修了だったことが理由になっています。現在でも、全国で千数百人の受刑者は義務教育を終えていないと言われています。

企画・演出を手がけた清弘誠プロデューサーは、22年前に桐分校の存在を知り、まだ義務教育を終えていない人がいることが驚きだったこと、また、これまでに691人になる卒業生の再犯率がほぼゼロにちかいことに注目しています。その理由を清弘さんは、「得た知識よりも桐分校で過ごした1年間、これだけ自分のために一生懸命になってくれる人がいたという思いが支えになっている」と語っています。(『赤旗日曜版』10月10日号)

ドラマでは、それぞれ事情をかかえて犯罪をおかした5人の生徒が登場します。
認知症の妻を殺した佐々木(大滝秀治)は父親がシベリアで戦死し、13歳で家族を支えるために豆腐店に住み込みで働いていました。川田(渡辺謙)は子どもの頃に両親が死亡、とび職でしたが読み書きが出来ないことをなじられて2人を殺害。結婚詐欺のジャック原田(すまけい)は、母親が借金から逃れるため住民票を作らなかったため学校に通えませんでした。そして、テキヤだった小山田(千原せいじ)、大衆演劇のスターだった姫之丞(染谷将太)。

劣等感から犯罪にまで手を染めてしまった生徒が、学ぶことで生きる意味を見出していく過程が見どころの1つです。その過程で、受刑者が教育を受けることに疑問を抱き、写真家になる夢も捨てきれずにいた副担任・石川(オダギリジョー)も、じょじょに彼らと心を通わせていき、認識を深めていきます。

ドラマのシーンでは、本を読めるようになった川田が、面会に来た息子に、ガラス越しに宮沢賢治の「よだかの星」を朗読する姿、そして、粛々とした卒業式の風景も、印象に残っています。

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