中学運動部活動 スポーツ庁が指針案

学校の部活動については、教員にとっては全員顧問制の問題、長時間の指導による加重負担の問題があり、また生徒にとっも全員強制加入や長時間拘束、体罰、重大事故などの問題があり、「ブラック部活」の問題が社会問題化しています。

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http://diamond.jp/articles/-/152916より

そうした中、中学校の運動部活動をめぐり、スポーツ庁は1月16日、活動時間を「長くとも平日2時間、休日は3時間程度」とし、「週2日以上」の休養日を設けるガイドライン案をガイドライン検討会議に示しました。高校については「準用を期待する」としています。ガイドライン検討会議はこの日、上限時間の設定をおおむね了承し、ガイドラインを3月に正式にまとめる予定にしています(『朝日新聞』2018年1月17日朝刊)。

「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン骨子(案)」(http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/013_index/shiryo/1400449)では、スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間に関する研究も踏まえ、「各競技種目の特性を踏まえた科学的トレーニングを積極的に導入し、適切な休養を取りながら、短時間で効果が得られる活動を実施する」ことを求めています。

私が勤務していた頃の高校は、全員顧問制で、専任教諭・常勤講師はいずれかの部活の顧問ないし副顧問となりました。そして運動部の中には、朝練に始まり、放課後は夜20時の最終下校時間まで練習をする部活もいくつかありました。私は、人間が集中して何かを取り組むのは2時間程度と考えていましたので、長時間の部活動は練習の効率も悪く、生徒の故障も多くなると、批判的でしたが、声を上げて問題にすることはできませんでした。一生懸命、部活の指導をしている教員を批判する雰囲気は学校の中にはありませんでしたから、それを個人的に批判する勇気は当時はありませんでした。
組合にも関わっていましたが、長時間の部活動を問題にしたことはなく、土日に公式試合などがあると、平日に代休を取ることはほとんどできないことや、部活や受験指導、生徒指導等で夜遅くまで勤務している教員が多かったことから、平日、勤務に支障がないときは、教頭に申し出れば17時15分の勤務時間前に退勤してもよいという協定を法人理事会と結んだり、管理職になってからは、定期考査期間中や入試時に業務が早く終わるときは、早めに退勤するようにしたこと、平日も19時を目安に早めに退勤するように促しました。

骨子(案)では、日本中学校体育連盟(中体連)に対しても、「生徒の活動の実態を踏まえた大会の在り方の見直しを行う」ことを提言していますが、全国大会をはじめ各種大会等の縮小など、抜本的な見直しを平行して進めないと、大会に勝つためにという名目で、部活動が長くなる恐れがあります。

骨子(案)は、義務教育の中学校を「主な対象」とし、高校は「ガイドラインを可能な限り準用し、速やかに改革に取り組むことを期待する」との表現にとどまっていますが、当然、高校にも適用されるべきです。

このガイドラインには法的な拘束力はありませんが、各教育委員会や学校には内容を参考にした対策が求められます。また、公立だけでなく、私が在職していたような私立の中学・高校も、私学の独自性を認めず、ガイドラインを適用するようにすべきです。一部の私立では、公立以上に、スポーツ推薦で生徒を入学させて部活動に力を入れ、生徒募集に利用しており、部活動の時間も長いのが一般的だからです。

また、骨子(案)では、教員が指導の質を上げるための研修や、外部の部活動指導員向けの研修を進めることなどを教育委員会に求めています。このことは、私立の場合にも義務づける必要があります。
顧問に毎月の活動計画や活動実績を校長に提出することを求める内容も入り、これについては「教員の新たな負担になる」と指摘する委員もいたといわれているように、校長が活動時間を把握する程度の簡潔なものにする
配慮が必要だと思います。

なお、骨子(案)では、運動部顧問の決定にあたっては、「校務全体の効率的な実施という視点に立ち、適切な校務分掌となるよう留意する」という文言が入っています。校長が顧問を決定する際の配慮事項として入れた趣旨は分からなくもありませんが、これでは部活動を「校務」に位置づけていると理解され、全員顧問制を当然視する校長にはその根拠を与えるものとなり、ガイドラインを厳格に守らせないならば部活動による教員の加重負担は解決されない可能性もあります。

このスポーツ庁のガイドラインは、公立の中学校を対象にしていますが、高校についても、また私立についても厳格に守らせる行政指導をすること、ガイドラインを守らない学校についてはペナルティを課すこと、また、文部科学省は文化部についても、吹奏楽部や競技かるた部など長時間活動が常態化している部活動があり、早急にガイドラインを作る必要があります。

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