キャリア教育は社会の要請に応えているか

6月19日の午後、日本キャリア教育学会の第29回研究セミナーが早稲田大学国際会議場で開かれ、参加してきました。

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シンポジウムのテーマは「キャリア教育は社会の要請に応えているか」で、シンポジストは労働行政から伊藤正史氏(厚生労働省)、学生を採用している企業から大塚雅樹氏(JTB法人東京)、深澤晶久氏(資生堂)、キャリア教育を実践している学校側から清水隆彦氏(荒川区立諏訪台中学校)、浦部ひとみ氏(都立足立高等学校)、磯山優氏(埼玉学園大学)、行政と教育機関との連携のもとキャリア教育・キャリア支援サービスに関わる企業から柳沢恵美子氏(インテリジェンス)の7氏で、コーディネーターは三村隆男氏(早稲田大学)でした。

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前半は15分ずつそれぞれの立場からシンポジストが発言し、後半はフロアーからの質問用紙に答え、補足をするかたちですすめられました。
中学・高校・大学から企業につなげるキャリア教育の必要性は認識されたと思いますが、ただ「社会の要請」とは何なのか、その前提がコーディネーターからも語られず、議論が深まらなかったのは残念でした。
伊藤氏は、労働行政がキャリア教育に関わる意義として、厳しい雇用情勢、若者の職業意識の変化、学卒無業、フリーター・ニート等の課題が顕在化するなかで、若年雇用対策として学校在学段階からの職業意識の喚起、職業世界についての理解促進等、キャリア形成の重要性に着目したことをあげられていました。
企業の側からは、コミュニケーション能力や、「自ら考える課題解決能力を身につけ、組織を含めて変革できる人材」が求められていること、経産省「社会人基礎力」に定義される、主体性や人間関係構築力、課題発見・解決力等を持ち、会社組織で継続的に成果を上げるために努力できる人材が求められてることなどが語られました。

企業が求めるような人材の育成を図ることがキャリア教育の社会の要請に応えることになるのか。この点では、磯山氏が、新設大学で、学習意欲もない学生もいる現状からプレインターンシップなどキャリア教育を始めた結果、学生のコミュニケーション能力を向上させ、学生の就職に対する意欲を喚起し積極性を引き出すことができたことを報告されましたが、率直にキャリア教育の必要性が語られていたように思います。

フロアーから、キャリア教育の目的は少ないパイをめざして正規雇用をさせるためなのか、労働市場に学校教育が規制されてよいのかという質問が出されていましたが、社会の要請とは何なのかを含め、キャリア教育のねらいは何なのか、その内容はどうあるべきなのか、改めて議論する必要があるように感じました。

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