多摩高進総会・進路指導協議大会

2019年度の多摩地区高等学校進路指導協議会の総会と研究協議大会が7月5日、国際文化理容美容専門学校国分寺校であり、出席してきました。

総会では、昨年度の事業報告、決算報告、監査報告、会則の一部改正、今年度の役員選出、活動方針、研究・行事計画、予算が原案通り承認されました。
今年も井戸康文会長(都立羽村・校長)、本間恒男事務局長(都立多摩)の体制で研究事業が進められていきます。
私は、総会に先立ちあいさつをさせていただきました。

研究協議大会では、坪井節子氏(社会福祉法人カリヨン子どもセンター理事長・弁護士)の基調講演「子どもたちに寄り添う~いじめ・虐待・少年非行の現場から~」と、木暮幸子氏(NHK学園高校総合教育相談センター・スクールソーシャルワーカー)の研究発表「多様な生徒の進路のために~進路指導と教育相談の連携~」がありました。

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坪井氏は、弁護士として東京弁護士会の子どもの人権救済センターの電話相談・面接相談にかかわり、いじめで傷ついている目の前の子どもに圧倒され、最初は何も役立たない自分の無力感に襲われながらも、深く傷ついている子どもたちに向き合い話を聞くことで、少しずつ信頼を得ていった経験を、学校でいじめに遭った中学生、非行で少年院送致になった高校中退生などの実際に関わった事例をもとに語り、どんな子でも見捨てないことの大切さを話されました。そして子どもの人権とは何か、それはどんな子どもも元気になれるか、であるとし、「生まれてきてよかったね。ありのままのあなたでいい。」「ひとりぼっちじゃないんだよ。」「あなたの人生は、あなたしか歩けない。あなたがあるいていい。」の3つキーワードを示し、「子どもは尊厳を有するひとりの人間であり、尊厳を守るための権利の主体である」とする子どもの権利条約の精神、「子どもとおとなは、対等かつ全面的なパートナーである」とする少年非行の防止に関する国連ガイドラインが、子どもの権利侵害を防ぐことにつながることを説かれました。
また、現在かかわっているカリヨン子どもセンターのシェルター活動についても紹介され、参考になりました。時間の関係でカリヨンを出たあとの若者支援の圧倒的な支援制度の不足の問題などの課題にはふれられませんでしたが、深く傷ついた子どもたちと向き合ったの凄まじい体験に息をのむほどでした。とともに、子どもたちに向き合っていない学校現場の教師への怒りも感じて、締め付けられる思いがしました。

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木暮氏の発表は、さまざまな問題を抱えた生徒を受け入れている通信制高校において、軽度の知的障害がある生徒、発達障害のある生徒、ディスレクシア(読み書き障がい)を抱えながら積極的に学ぶ生徒などに対して担任、進路、相談室が連携しながら進路指導を進めていった事例を紹介したものでした。

私は、子どもの貧困との関わりで、進路指導(教育)と福祉などとの連携が今日の課題の1つとなっていることを指摘したことがあります(拙稿「中学生・高校生のキャリアデザイン」日本キャリアデザイン学会監修『キャリアデザイン支援ハンドブック』2014年)。
さまざまな問題を抱えた生徒の多くは、定時制や通信制高校で学んでいますが、いじめや児童虐待などで傷ついている生徒や学習障害のある生徒などは、全日制高校でもいないわけではありません。養護教諭、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、外部の児童相談所等と連携しながら、進路指導をしていくことは、これから進路指導でも重要な課題になっていると思っています。その意味で、多摩高進がこの課題を取りあげたことは時宜にかなったものだと感じました。

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