上智大学での授業

末廣啓子先生の教職課程の授業「進路指導論」に招かれ先日、上智大学でゲスト授業をしてきました。

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上智大学四谷キャンパス

私が桜華女学院高校(現在、日本体育大学桜華高校)に在職していたときに、先生方と取り組んだ総合学習「人間・生きる」を核としたキャリア教育の実践を紹介しました。

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前回の授業風景

そのときの学生たちのリアクションペーパーがコピーで送られてきました。

学生たちの感想には、キャリア教育の重要性や取り組みが理解できた、このようなキャリア教育を高校時代に受けておきたかった、教職に就いたら参考にしたい、というものが多くありました。
また、取り組みの内容では、ジョブ・シャドウイングや労働法教育、カタリバなどについて好意的に捉える一方、自分史づくりについては賛否両論がありました。

いくつか感想を紹介しておきたいと思います。

・今回の講義で紹介されていたキャリア教育はどれも非常に重要なものばかりだと思いました。特に「人生の課題と社会の課題を重ねて、未来に向けて自覚的に生きていく」ことをねらいとする教育は、まさに高校生などの早い段階で行っていくべきものだと思いました。まず自分を理解し、社会理解を深め、自分の将来展望を広げていくことが、本当のキャリア教育なのだとわかりました。実際に様々な体験を行い、現状を知ることによって、進学を希望する学生が増え、それと比例して学力も向上したという貴重なデータを見ることができて良かったです。質の良いキャリア教育を行うことが、大学合格の先を見据えた人生設計を考えさせることにつながり、結果的に働くことについての自覚とモチベーションを上げることになるとわかったので、今回のようなキャリア教育をもっと多くの中・高で取り入れるべきだと思います。

・山野先生のキャリア教育の取り組みを聞いて、私も山野先生のようなキャリア教育を受けたかったと感じました。私の高校はほとんどの生徒が大学進学を目指すような学校で、受験にしか力を入れていないものでした。山野先生の授業は自分史づくりから始まり、自分の人生と生き方を考えていきます。職業インタビューやジョブシャドウイングを通して社会のあり方、職業、労働の実態を学んでいきます。3年生で希望進路に関連するテーマでレポートを作っていきます。私は、「自分が何をしたいのか」「なぜ大学に行きたいのか」など、自分の将来を考えたことがなかったので、未だに迷っている状況です。キャリアについて自考えるのはとても分で考えさせる山野先生の授業を受けたら、そのようなことはないんだろうなと思いました。

・山野晴雄先生のお話をきいて、いかに学生にとって、大学や社会・仕事のことについて知ることで、自分の将来のことを考えるよい機会を得られることができ、高校時代に何をすべきか?どうすれば自分の希望する進路に進むことができるのか?考えるのはとても良いなと思いました。よく高校生や大学生に「将来何がしたいか?」と聞くと、「わからない」と答える人が多いと思います。それは自分がどんなことがやりたいのか?どんな職業に向いているのか?考える機会が少ないからだと思います。高校のうちから、大学生や大人から講演や話し合いの場を設けたり、ジョブシャドウイングで実際に仕事ぶりを見ることで、学習意欲があがり、大学進学や進路がよりよい方向に進んでいくことがわかりました。桜華女学院高等学校では高校生からキャリアについて考える有意義な時間があり、とてもうらやましく思いました。私もそうですが、やりたいことがはっきりしていると大学選択・学部選択がスムーズにいったと思います。生徒のレベルに合わせて、生徒の将来のことをよく考えられている先生のお話を聞けてよかったです。

・私が中高時代に受けてきたキャリア教育とは全く異なっていたことに驚いた。キャリア教育といえば、オープンキャンパスに参加したり、進路指導ばかりで、自分史づくりやジョブシャドウイングなどを経験したことがなかったため、自分のキャリアを具体的に思い描くことができる教育はすばらしいと思った。職業インタビューは行ったことがあったが、中高時代に、一番近い進路であった大学を考えることにつながらず、ただ「点」となってしまったため、カタリバなどで大学生の話を聞くことで1つの「線」としてつなげていけるのは1つ1つのキャリア教育に意味があると感じた。キャリア教育では、どれだけ将来を具体的に思い描けるかが大切なのだと気づかされた。将来を明確にすることで目的意識をもつことができるようになり、学習意欲、学力の向上につなかっていく先生の教育は、中高時代に受ける意義が大きいと思う。人生の「流れ」を思い描ける具体的な教育方法を教えていただけて
進路指導についての学びが深まった。

・私は今回の山野先生のお話から、先生が実際に行われてきたキャリア教育について知ることができて良かったです。講義や授業で話を聞いたりして学ぶだけでなく、大学訪問や職場への訪問、インタビューなど、自分が参加し、自分から学ぶということが大切なのかなと思いました。自分が高校生の時は、自分のなりたい職業を調べようという授業はやりましたが、大学訪問や山野先生が今回紹介されたもののほとんどはやってこなかったので、高校生の時私もこんな授業ができていたらと思いました。
 私は教職免許を取りたいと考えています。もし実際教員になれば、生徒たちにきちんとしたキャリア教育ができる学校にしたいし、しなければならないと、今日のお話を聞いて、より強く思いました。

・山野先生が仰っていた日本体育大学桜華高校における、キャリア教育に関する取り組みのサポート体制の厚さに驚きました。自分高校時代は、9割以上が進学を選ぶということもあり、大学進学に関する進路指導はありましたが、その先の、人生のキャリア(職業)についての教育はほとんどありませんでした。実践的な現場に入る体験や、働く方々からの講演、模擬授業体験など、職業理解に繋がる授業が体系的に、予想、実践、振り返り、理解といった流れを踏まえて行われていることに感動しました。山野先生も少し触れられていましたが、品川女子学院の漆先生の、28歳までを見通したキャリアデザインという考えに基づく教育についての著書を読んでいるのですが、桜華では、さらに先を見据えて、と仰っていたことが素晴らしいと思いました。高校時代にここまで丁寧に指導してくれる学校に私も通いたかったです。


末廣先生から上智大学でキャリア教育の取り組み事例を学生たちに話をしてほしい、とお話があったのが2010年のことでした。桜華女学院高校を退職した、その年の6月でした。それから10年間、毎年1回、授業をさせていただいています。
私が慶應義塾大学で「進路指導論」を受け持ったときにも、桜華女学院でのキャリア教育を紹介しましたが、上智大学と同様に、学生の多くは進学校出身であり、ほぼ同じような感想が多くありました。
教職に就けば、進学校に赴任するとは限らず、進路多様校や教育困難校で進路指導、キャリア教育をおこなうことになります。生徒の状況に合わせて進路指導、キャリア教育を行っていけるよう、私の実践が参考になればうれしいことです。

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