辺野古へ土砂投入強行

政府は、名護市辺野古沿岸にアメリカ海兵隊の新基地を建設するための埋め立て土砂の投入を強行しました。
今年の9月の県知事選で新基地に反対する玉城デニー知事誕生のわずか1ヶ月後に工事を再開し、国と県の集中協議中も作業を進め、手続きの不備を県に指摘されても工事を強行し、ついに土砂を投入し、美ら海を茶褐色に汚し破壊しました。

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「沖縄タイムス」2018年12月15日より。
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毎日新聞映像グループhttps://twitter.comより

辺野古北東側の大浦湾一帯は、多くの絶滅機種が見つかるなど、生物多様性のホットスポットと言われている地域です。政府は、埋め立て区域のサンゴを移植して保護する、と言っていますが、移植サンゴの生存率はきわめて低く、日本生態学会等では移設計画を止めるよう共同声明を出しています。
工事が進めば、自然環境の原状回復はきわめて難しくなります。

安倍政権は、行政機関から不利益な処分を受けた市民のための行政不服審査制度を、防衛省を一市民であると強弁して活用し、県の埋め立て承認撤回に対して効力停止を申し立て、政府内部の国土交通省に効力停止を認めさせるという奇策を用い、土砂搬出のために本部港が使えないことが分かると、土砂搬出の許可を得ていない民間の桟橋を使って土砂搬出を強行しました。
「沖縄に寄り添う」と言いながら、躊躇することなく沖縄の民意を踏みにじり、土砂投入を強行しました。

大浦湾には、約40メートルという厚い砂質や粘土質の軟弱地盤があることがわかっており、そのまま埋め立てると大規模な地盤沈下を起こすため、地盤改良工事をする必要があり、その工事は技術的には難工事が予想されており、当初の想定を超える時間と費用がかかることは確実になっています。沖縄県の試算によれば、13年かかり2兆5500億円かかるとしています。しかし、政府は、事業費が大きくかさむことについて一切国民に説明しないまま、工事を強行しています。

政府は、「辺野古が唯一の解決策」というのみで、なぜ辺野古でなくてはいけないのか、海兵隊のグアム島への移転も計画されているのに新しく基地を造る必要性はあるのか、など、沖縄の民意を尊重し、辺野古への移設計画を再検討するなど、議論をして解決策を探るのがまさに民主主義です。江上能義琉球大学名誉教授が言うように、「辺野古の海を破壊されていく光景は、この国の民主主義が崩壊していく姿とまさに重なって見え」ます(『朝日新聞』2018年12月15日朝刊)。

琉球新報は社説で、「歴史から見えるのは、政府が沖縄の人々の意見を尊重せず、「国益」や国策の名の下で沖縄を国防の道具にする手法、いわゆる植民地主義だ」とし、土砂が投入された12月14日は4・28などと同様に「屈辱の飛」として県民に深く刻まれるに違いない」と述べ、この「第4の琉球処分」の強行に抗議しています(『琉球新報』2018年12月15日朝刊)。

政府は、ただちに辺野古への土砂投入を中止し、沖縄県と話し合いの場を持つべきです。

この記事へのコメント

amemiya
2019年01月05日 12:17
沖縄になぜ基地が必要だと政府が強弁しているのでしょうか。歴史社会学者の小熊英二氏によれば「まず軍事的には、海兵隊基地の所在地は沖縄でなくともよい。このことは、3月29日のNHK『日曜討論』で元防衛大臣の森本敏氏も認めている。そもそも、有事に沖縄の海兵隊を運ぶ船は佐世保からやって来るのだ。」(2015年4月14日 朝日新聞 )と述べている。またこれとは別に、小熊は「知日家のハーバード大学教授ジョゼフ・ナイ氏は『日本は何をどうしたいか米国に要求すべき』だとも紹介している。政府は事あるごとに、辺野古が唯一の解決策だと言っているが根拠なきたわごとに過ぎないとは、言いすぎでしょうか。

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