多摩高進研究協議大会・総会

平成30年度の多摩地区高等学校進路指導協議会(多摩高進)進路指導研究協議大会・総会が7月6日、国際文化理容美容専門学校国分寺校で開かれ、参加してきました。

総会では、前年度の事業報告・決算報告、規約改正、今年度の役員選出、予算案、活動方針・研究行事計画が原案通り了承されました。会長には井戸康文・都立羽村高校校長が、事務局長には本間恒男・都立多摩高校主幹教諭が選ばれました。

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研究協議大会では、斎藤勉さん(都立東大和南高校)が「平成29年度卒業生の入試結果状況」及び「平成30年度の取り組み」についてのアンケート結果から」というテーマで、多摩地区の高校42校から回答があったアンケート結果を報告したものでした。今春の入試は各大学の合格者絞り込みにより、模試の判定と合格状況が一致しない場合が多かったこと、大学合格実績が首都圏の私立大学については減少が多かったことを明らかにしました。今後の大学進学指導の取り組みについては、AO入試に重点をおいた指導をあげた高校が多く、e-ポートフォリオへの対応については、「ある程度のことは理解しているが、利用については不安を感じている」、2020年度から始まる大学入学共通テストでの英語の民間試験については、受験させる試験を「決めている」学校は10校で、「検討中」「まだ決めていない」とする学校が多かったこと、英語の民間試験の導入については経済的理由で受験できない生徒が出てくるのではないかという危惧や、e-ポートフォリオや調査書についてはっきり決まっていないことが多く、様子見である状況が浮き彫りになっていました。

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記念講演は、小林浩さん(リクルート総研所長)による「高大接続改革の現状と課題~2030年の社会と子供たちの未来を考える~」で、現在、文科省が進めている高大接続改革の考え方や現状を紹介し、今後の高校・大学の教育を通じて求められているものは何かを明らかにしたものでした。
小林さんは、これからの知識基盤社会では、変化が激しい、予測できない社会において必要とされる能力は、情報編集能力(思考力・判断力・表現力)であり、複数の納得解を導けることであり、主体的、能動的に「生涯学び続けられる人」の育成が求められている、とし、中教審の高大接続答申を受けて現在、文科省が進めているのは、高校教育・大学教育・大学入学者選抜の三位一体となった教育改革であることを強調しました。そして高校教育の改革では、新学習指導要領の改訂では「何ができるようになるのか」が重視され、カリキュラム・マネジメントの実現などが求められていること、また、大学での3つのポリシーの策定による入口から中身、そして出口までの一貫した教育へ大学教育の改革も進められていること、大学入学者選抜改革では、大学入学共通テストでは記述式と英語4技能の導入がポイントであるとして解説したうえで、既に個別大学入試では改革に取り組む大学が増えていることを具体例をあげて説明しました。最後に小林さんは、今後、高校・大学の教育を通じて求められているものは、受動的な生徒・学生をいかに主体的、能動的な生徒・学生に変えていくか、教員が何を教えたかではなく、生徒・学生が何を学び、何ができるようになったか、を重視して、学校全体で取り組むことが重要であることを指摘しました。

小林さんの講演は、中教審、文科省が進めている高校教育・大学教育・大学入学者選抜の一体的な改革のねらいを要領よく紹介したものでした。高校の先生方にとっては、大学入学共通テストの具体的な改革の中身がどこまで進展しているのか、国立大学や私立大学での改革の取り組みの状況を知りたかったと思われ、いくつか触れてはいましたが、もう少しそこに焦点を絞って話していただけるとよかったのではないかと感じました。

研究協議大会の終了後、講師の小林さんを囲んで懇親会がもたれましたが、小林さんがリクルートに入社された年が1989年で、リクルート事件のさなかであったことをうかがい、私自身がリクルート事件に巻き込まれ、東京地検特捜部の聴取を受けた経験があり、奇縁を感じました。

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