高校生の妊娠と退学勧告

全国の公立高校で2015年・16年度に、妊娠・出産を理由に学校側から退学を勧告され、32名の生徒が退学していたことが、文部科学省の調査で明らかになりました。

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。『朝日新聞』2018年3月31日朝刊

文科省が高校生の妊娠・出産と退学の関連を調査したのは初めてのことです。
調査結果によると、2年間で高校が生徒の妊娠を確認した件数は、全日制1006件、定時制1092件の計2098件。このうち、「産前産後を除いて全期間通学」が778件、「本人または保護者の意思による自主退学」642件、懲戒として退学させられた例はありませんでしたが、高校の「退学勧告による「自主退学」」が32件(全日制21件、定時制11件)ありました。この中には生徒や保護者が「通学、求学や転学」を希望したにもかかわらず、学校側が退学を進めたケースが18件(全日制12件、定時制6件)ありました。(『朝日新聞』2018年3月30日夕刊、31日朝刊)

女子生徒が退学に追い込まれる現状がある中、学ぶ機会を奪わないように生徒を支援する動きも広がっており、「にんしんSOS東京」では妊娠に関する相談に乗り、東京都教委では、都立高校の生徒が妊娠死ね学校側の要請があれば、社会福祉士を派遣し、生徒の不安や悩みに応じるとともに、出産の前後で補習授業を受けたり、本人が望む場合は出産前後に休学したりすることもできる、としています。
文科省の担当者は、「高校卒業に向けた学習ができないことは、貧困の連鎖などにつながる恐れがある。安易な退学勧告をせず、子どものために必要な配慮をしてほしい」と話しています。(同前)

私が高校教員で1990年、学年主任をしていたとき、同じ学年の生徒が、3年の1月に妊娠が分かり、卒業直前で自主退学をしたことがありました。そのクラスの担任からは、妊娠するのは高校生としてあるまじき行為であり、退学を勧め、保護者も同意したということでした。相手とは結婚をするということでしたが、当時は、退学もやむを得ないと考えていました。30年近く前のことですが、認識不足でした。

子どもの権利条約の趣旨からは、子どもの最善の利益を考え、生徒が通学を望むのであれば、学習の機会を保証していくことが学校側には求められていると思っています。産前産後の期間を除いて通学すること、出産・育児のための休学を認めることなどを原則にしていく必要があります。
また、望まない妊娠を防ぐためにも、きちんと性教育を行うことも並行してすすめていくことが、貧困の連鎖につながらないようにしていくためにも、必要だと思っています。
 

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