「ブラック校則」議論広がる

大阪府立高校での頭髪指導をめぐり、地毛が茶髪なのに高校から黒染めを強要され、精神的苦痛を受けて不登校になった女子生徒が、大阪府に損害賠償を求める裁判を起こしました。この訴訟をきっかけに「校則」が改めて注目されています。『朝日新聞』017年12月28日夕刊は「『ブラック校則』議論広がる」という記事で、これを取りあげています。

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『朝日新聞』017年12月28日夕刊

ネットでは、不合理な校則やルールを「ブラック校則」と名づけ、見直しを求める運動が盛り上がっています。NPO法人キッズドアらが立ち上げた「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」では、全国から校則を集め、校則の改善や行き過ぎた指導の見直しを求める署名活動をしています。
大阪府教育庁も、校則全般について点検するように全府立高校に指示しました。

新聞記事では、時代の進展を踏まえて校則を見直すためのヒントになる事例として、生徒、保護者、教職員が交えて議論しあう「三者協議会」を紹介しています。東京・世田谷区の大東学園高校、和歌山県紀の川市の県立粉河高校では三者協議会で、生徒側が要望した校則の見直しが実現した事例を紹介し、この三者協議会を全国でいち早く立ち上げた長野県辰野高校で中心となった宮下与兵衛さん(現在は首都大学東京特任教授)の「校則は必要なものもある。大事なのは、学校が一方的につくるのではなく生徒や地域を交えてつくること。みんなでつくったものならば、守る責任感を持つようになる」というコメントもつけられています。

ネットに「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」の一環で、現役の女子高生が校則に関する悩みを動画で打ち明けたとき、ツイッターで、「生徒・教員・保護者が共同で学校づくりをする三者協議会をすべての学校に設置し、生徒の声が反映できるようにすべきです。東京の大東学園高校、長野県の辰野高校等では校則を変えています」とコメントしました(12月14日、https://twitter.com/yamatea21)。

私が在職していた桜華女学院(現・日体桜華)高校では、地毛が茶髪やパーマの生徒には子どもの頃の写真を提出させたり、人権に触れるようなルールがありました。また、細かな服装や髪型に関する規定があり、守らない生徒もいました。生徒も学校の構成員であるならば、生徒の声も反映し、よりよい学校づくりに参画してもらう仕組みが大事だと考え、私が教頭になったとき、辰野高校の事例を参考に2004年に「三者協議会」を発足させました。生徒側からは施設・設備の改善要望が多く出されましたが、だんだんと授業改善の問題なども議論されるようになり、校則に関わっては冬の登校時の防寒スポーツ服での登校を認めるかどうかの議論も行われました。
残念ながら三者協議会は、私が退職するとともに新しく校長として赴任した小林節校長(当時、慶應義塾大学教授)によって廃止されてしまいました。

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桜華女学院(現・日体桜華)高校の三者協議会風景(http://yamatea.at.webry.info/201103/article_22.html

校則は学校側が一方的に制定するのではなく、三者協議会をつくり、生徒、保護者、教職員を交えて議論してつくっていくことが、生徒も責任を持つことになり、その学校を共同で良いものにしていく契機になると考えています。

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