部活動をめぐって

大学の教職課程で「特別活動」を教えていますが、この3週間は「部活動」を取りあげました。

1週目は、部活動の歴史と現状をテーマに、部活動の歴史、戦後における運動部活動と学校教育、部活動の教育課程上の位置づけ、部活動の現状、顧問の役割について講義をしました。。
2週目は、部活動顧問の加重負担の問題をテーマに、教員自身からの問題提起、部活動というグレーゾーン、部活動指導のブラックな実態を講義した後、部活動と教員の加重負担の問題について、グループ討論をしました。
3週目は、「ブラック部活」を克服するをテーマに、日体大で行われている「学校・部活動における重大事件・事故から学ぶ研修会」の紹介、生徒にとってのブラックな部活、教師にとってもブラックな部活、ブラック部活の問題点、ブラック部活を克服するために、という内容で講義をしました。授業の中では、「教員の働き方改革」について議論をしている中教審特別部会の「中間報告」についても説明しました。

受講している学生の中には高校時代、野球部や駅伝部で活動していた学生もおり、大学でも駅伝部で活躍している学生がいます。
将来、教職に就いたときには、何らかの部活動顧問を担当することが考えられるので、教員とっての部活、生徒にとっての部活の実態がどうなっているのかを踏まえたうえで、部活動をめぐるさまざまな問題について考え、「ブラック部活」と言われる現状をどう克服していったらよいのかを考えてもらいたいと思い、時間を取ってみました。

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学生たちのリアクションペーパーには、次のようなものがありました。

・部活動は中学生から強制でやっていたなと思った。時代とともに役割、位置づけが変化してきている。顧問の先生も学校の授業の他に部活動を持つことが今は当たり前になっている。しかし、土日を部活動で使うと、教員はいつ休むのかという話が出て来る。教員1人がかかえる仕事量が多すぎることが問題であると思った。生徒のためだと分かっていても限度があるのではないか。

・今回部活動について学習して、教員にとっても部活動は得るものより、負担面の方が大きいのではないかと感じました。自分自身も今日行く実習に行ったときなど、受け持つ仕事が増える部分が多くなってくると思うので、それなりにボランティアなんだと覚悟をもって臨むようにしていきたいと思います。

・部活動による残業は最近大きく話題にかなっていたが、やはり学校の先生が指導者となることは、少し無理があると思う。公立もコーチなどを雇うようにするべきだと思う。

・部活動は、先生がボランティアで行っているため、先生の負担が増えるというのは知っていましたが、改めて大変さを知りました。が、自分が生徒の立場に立って考えると、授業での勉強も大切だが、部活動で得られるものはたくさんあるので、部活動はなくしてはならないなと思いました。 そのためには、先生の負担を減らすため制度をもっと部活動について手厚くするべきだと思いまし た。

・日本の部活動に関する問題は、自分が中・高生くらいのころから、何となく聞いていた。
日本の部活は、学校中心型だが、地域型にした方がよいと思う。学校中心型だと無理に所属させられ、自分の時間が作れない生徒や、もっと上のレベルを目指したい人には限界があると思う。教員からみても地域型にした方がよいと思う。
しかし、今まで学校中心型で行ってきたため、その歴史や伝統があり、歴史や伝統はどう頑張っても作れないので、地域型にすることは限りなく難しいことだと思う。
学校での部活動の強制をなくしたり、外部コーチを雇うなどして、対策が必要だと思う。

・教員の加重負担を考えると、本当に大変だなと思った。ボランティア精神を取っ払って、負担を軽減できるようにするには、周りが協力するべきだと思いました。

・教員はほとんどの割合の人が忙しいと回答していて、教材研究などの授業以外にも部活動も、となると、それは当然忙しいだろうと思った。加えて未経験なら尚更大変だと思う。

・私は、中学校でも高校でも部活動に熱心な先生の元、取り組んだので、今思うと、本当に好きじゃないと部活の指導は難しいなと思いました。

・部活動の指導がブラックなのはおかしいと思った。部活動の指導は自由にして欲しい。手当も低くてひどいと思いました。手当を出すなら最低賃金・低賃金以上を出した方がよいと思いました。

・土日に部活動の顧問として活動してもお金がもらえないと思っていた。完全なボランティアだと思ったが、手当が少なからず出ることを知った。
だんだんと働きやすい職場にしようとする活動が見られる。教員は、「子ども(生徒)」を相手にするので、子どものためと言われたらやらざるをえない。
生徒、教員、保護者、学校それぞれが話し合い、部活動のあり方や互いにおもっていることを話す場を設けることも大切だと思った。結局はコミュニケーションをとらなければ始まらないのではないだろうか。

・国際教員指導環境調査での日本の課外活動にかかる時間の多さを知り、驚きました。また、土日の部活動に支払われる手当が4時間以上で日額3000円ということにも驚きました。東京都の最低 基準値を下回っているというのは非常に問題だと思うので、教員の部活動にかかる負担を少しでも 減らすためにも、まずは部活動での賃金を大幅に引き上げる必要があると感じました。

・部活動を顧問という教師がやる必要はないと思う。指導したい人だけがやればよいと思う。

・部活によって生徒が命を落とすなどというのはあってはならないことで、自分がもし部活の顧問として指導者になったとしたら、まず生徒のみの安全を第一に考え、行動していかなければならないと感じました。また、「体罰は教育の一環」というような加害者側の言い訳、甘えが世間的に許されていた実態がありえないことだなと思いました。

・ブラック部活では、強さを求めるあまり、命を 落としてしまう子どもが出ている現状があることを知った。強さを求めるあまり、指導に熱が入るのはしょうがないが、生徒を追い詰めるような指導はよくないなと思いました。

・ブラック部活という単語を初めて知った。
 体罰といってもいろいろで、言葉の暴力もあると思う。実際に言われすぎてストレスからイップスになった子もいる。体に異変が表れたりする。直接暴力を振るうだけが体罰ではないと思う。
 だからといって、学校から部活動を切りはなし、地域のスポーツクラブにするというのは違うと思った。夏の甲子園など多くの人が注目することがあるので、完全に切り離すことはよくないと思う。


学生によって意見や感想は異なりますが、真剣に部活動のあり方について考えていることが知られます。これを機会に、さらにさまざまな視点から考えていってほしいと思っています。

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