日本キャリアデザイン学会研究大会 2

日本キャリアデザイン学会研究大会の2日目。

午前中は自由研究発表の部会8「学生の学び検証」に参加しました。
 今西正和(法政大学大学院)「PBL科目のグループワークにおける学生の役割意識の変化」
 金森 敏(東京家政学院大学)「授業外における学びの場の生成・維持に関する研究」
 東渕 則之(松山大学)「卒業生の学びとキャリアに関する研究」

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今西さんの報告は、PBL科目を受講した学生の、グループの中での役割意識や行動の変化がどのようなものであったのかを分析したものでした。金森さんの報告は、授業外の学生の自主的な学びの活動「キャリアバーム」を通して、参加した学生の参加理由やキャリア意識の変化を紹介したものでした。また、東渕さんの報告は、新卒有効求人倍率の下降期(1991~96年度)と上昇期(2003~10年度)の卒業生に質問紙調査を行い、求人倍率に着目して、両期の学生に在学中の意欲的な取り組み、仕事をする上で重視する点、現在のキャリアに対する満足度などがどのように違うのかを分析したものでした。
学生の授業、あるいは授業外の学びがキャリア意識にどのような影響をもたらしているのか、その検証をする研究は今後、さらに深めていく必要があると感じました。

午後は、伊東正仁氏(損害保険ジャパン日本興亜執行役員)の記念講演「Diversity for Growth -経営戦略としてのダイバーシティ-」がありました。損保ジャパンは、ダイバーシティマネジメントを推進し、女性管理職の比率向上への取り組みをしていることで知られています。その現状や働き方改革、地域と連携した取り組みなどを紹介したものでした。

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最後のプログラム、学会主催シンポジウムは「多彩な人材の多様なキャリア-多様なキャリアの創造に向けて-」をテーマに、女性活用、障害者雇用において多様性への対応を実践しているシンポジストから、取り組み事例を紹介していただき、多様なキャリアの創造に向けて議論を深めようという意図のもとに開かれました。
 コーディネーター 中村 恵(神戸学院大学)
 シンポジスト 雅樂川陽子(COCO-LO社長)、久保田あさみ(アイ・エム・ユー専務)、宮嶋 望(NPO法人共働          学舎副理事長)

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雅樂川さんは、作業療法士として働き、29歳の時に有限会社COCO-LOを設立、操業時より人材不足に悩み、子育て支援の制度を導入したところ、看護師、介護福祉士など有資格者の雇用につながりました。そして、さまざまな特別有休制度をつくるなど、働く人に合わせた制度から個性を生かす人材育成を大事にし、自主的に動く組織へと変化させたことを紹介しました。
久保田さんは、大手アパレルでテレビ通販を担当、2012年、上司の岡田たけ志氏の独立、新会社設立に伴い移動、テレビ通販でファッション商品の企画・製造・販売を手がける会社の専務取締役をしています。35名の社員のうち30名が女性で、ユニバーサルデザインのブランドも手がけ、人に優しいことをモットーに仕事をしていることを紹介しました。
宮嶋さんは、共に働き共に生きる「自労自活」を実現することを目標に、1978年、北海道新得町に入植、共働学舎新得農場を開設、いろいろな理由から社会に居場所を見つけられない人や、心身に思い妨げを抱えている人など、個性をもったメンバーが共に働き、酪農、チーズ生産、有機野菜生産などを行っていることを紹介しました。

雅樂川さんの会社のように、さまざまな特別有休制度を作り、働きやすい環境を会社が考えることによって、社員も自主的に生き生きと働く、このような企業が今どきあるのか、と驚きました。ダイバーシティ(多様性)は、言葉だけは掲げる企業は少なくありませんが、本当に働く社員を意識して改革しようとしているのか疑問もあるだけに、真の働き方改革はどうあるべきか、を含め、議論を深めていく必要があると感じました。

来年度の研究大会は、9月15日、16日に関西大学千里山キャンパスで開催されます。

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