「常勤講師」問題

東京私教連は、加盟する私立小中高97校に対して「常勤講師」に関するアンケート調査を実施し、72校から回答を得た結果を公表しました。
毎日新聞によれば、「常勤講師制度がある」としたのは44校で、うち23校が雇用延長を認めない「期限切り」を導入、雇用期間は大半が1~3年でした。常勤講師が専任教員になることは難しく、「常勤が専任に必ずなれる」と回答した学校は3校でした。
調査によると、業務は常勤と専任で差がないケースが多く、「勤務時間や部活動の顧問などの負担が常勤と専任で同じ」と回答したのは8割超の33校に上り、20校では常勤講師が学級担任を持っていました。一方、26校で専任教員より給与が低く、19校で賞与にも差がありました。

東京私教連の鴨志田勇委員長は、「私学側に人件費の削減や雇用の調整弁にするなどの狙いがあり、常勤講師が全国的にも増えている傾向がある。常勤講師制度を廃止し、専任教員として雇用するよう訴えていきたい」と話しています。(『毎日新聞』2017年9月28日朝刊)

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私が在職していた高校でも、1980年代から常勤講師制度が導入され、教職員組合では反対をしましたが、法人理事会により制度化され、現在に至っています。
常勤講師は、最長3年間で、その間に専任教諭になれなければ、期限切れになり退職となります。業務は、勤務時間や校務分掌、部活動顧問は専任教諭と同じ負担でした。給与は同じでしたが、賞与は夏については専任の半分で、2年目であっても1年契約であるからと半分でした。

私が教頭になったときには、常勤講師には担任業務は持たせませんでした。担任までさせたら、まったく専任教諭と同じ業務になり、ただでさえ部活動などで加重負担になっているのに、就職活動もできないのでは問題があると考えたからです。
私が教頭になってから毎年、数名の常勤講師を採用しましたが、最初から専任教諭で採用したのは1名だけでした。あとは常勤講師の中から、管理職が評価をした上で、その年の入学者数や退職する教員との兼ね合いなどから、何名かが専任教諭になっていきました。
常勤講師は、確かに「雇用の調整弁」になっており、人件費も専任よりは安くすみ、経常費補助では、専任教諭も常勤講師も教員1人当たりの補助金は同じに算出されていたので、常勤講師だと経営上は好都合という面がありました。

ただ常勤講師は身分が不安定ですから、都立や他校に専任教諭として採用されれば、そちらに移っていきます。そうすると、専任教諭であれば、教員を計画的に、長期的に育てていくことができますが、常勤講師の場合はそれができません。それは、学校にとっても、生徒たちにとってもよいことではありません。
私教連が主張するように、常勤講師制度は廃止すべきであり、教育に責任を持つのであれば、専任教諭を採用していくべきだと思っています。゜

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