非正規雇用対策議連、ワークルール教育推進法案を国会提出へ

超党派の非正規雇用対策議員連盟(会長・尾辻秀久元厚生労働相)が、働く人たちを守る労働法制や労使間のトラブルの解決策を義務教育から教えるよう国に義務づける議員立法「ワークルール教育推進法案」の骨子をまとめ、1月20日招集の通常国会に提出することがわかりました(『東京新聞』2017年1月8日朝刊)。

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『東京新聞』2017年1月8日朝刊

東京新聞によれば、過労自殺が社会問題化する中、子どもの頃から必要な知識を身につけ、違法な労働条件のブラックバイトやブラック企業から身を守れるようにするのが法案のねらいであるとし、法案骨子によると、(1)ワークルール教育の推進に向けた基本方針を定め、関連予算の確保を国に義務付ける、(2)小中学校や高校の教育を所管する都道府県や市町村には、この方針に基づいて教育計画を定める努力義務を課す、(3)国や地方自治体が、大学に自主的な教育に取り組むように呼びかけることや、社会人も教育を受けられるよう必要な措置をとることも求める、などとなっています。
また、労働基準監督署の仕事や労働組合などの支援団体についても教え、労働者が不当な長時間労働やリストラ、賃金の不払いや減額などに対応できる力を付けることを目指すとし、議連は労働者が働く上で守らねばならない義務についても教育内容に盛り込み、企業側の理解も得たい考えだとしています。
議連は今後、各党の意見を募った上で具体的な条文を詰め、今年中の施行を目指すとしています。

ワークルール教育推進基本法の制定は、2013年に日本労働弁護団が提言し、15年11月には第1次試案を発表していました。日本弁護士連合会でも労働法制委員会にワークルールPTを設置し、それぞれワークルール教育のあり方をめぐりシンポジウムを開催したりしてきました。私も何回かシンポジウムに参加をしたことがあります(例;日弁連主催「ワークルール教育シンポジウム」 http://yamatea.at.webry.info/201601/article_12.html、日本労働弁護団主催「シンポジウム「いつでもどこでもワークルール教育を!」」 http://yamatea.at.webry.info/201609/article_8.htmlなど)。シンポジウム「いつでもどこでもワークルール教育を!」では、国会議員の中にも超党派で非正規雇用対策議連が発足し、ワークルール教育推進法案の制定に向けて3次案まで作られており、与党に慎重な意見があるものの、今後、国会に提出できるように努力したいとの報告もありました。
今回の報道は、こうした法制定の動きが広がっていったことによるものと言えます。

高校現場では、ブラック企業やブラックバイトの問題が社会問題化する中で、ワークルール(労働法)教育に対する関心は高まっているものの、キャリア教育の中でワークルール教育を位置づけて取り組んでいる学校は少数にとどまっています。とくに生徒数の多い普通科高校ではごくわずかであり、労働教育研究会の研究会・交流集会で紹介されている実践報告も、定時制や商業高校、総合学科の高校が多く、それも定時制を除いては全校で取り組んでいるというよりも、教科等で意識の高い教員が個人的に実践している場合が多くなっています。
ワークルール教育推進法が制定されれば、若者を守るためにもワークルール教育がどの高校でも取り組みやすくなります。ぜひ推進法がこの通常国会で成立することを期待するとともに、推進法に消極的な与党議員もいるようなので、働きかけを強めていく必要があると思っています。

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