労働教育実践交流集会

労働教育研究会主催の労働教育実践交流集会が12月23日、明治大学で開かれ、参加してきました。
テーマは「生徒が楽しむ労働の授業-生きた知識が身につく6つの実践事例」。

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交流集会のプログラムは次の通りでした。
1.労働教育カリキュラム研究プロジェクトからの報告
2.労働教育実践報告
  高須裕彦(一橋大学)「対話型労働教育の試行錯誤」
  中山拓憲(神奈川県立神奈川工業高校)「世界史授業で行う労働教育-産業革命と労働問題-」
  三好清隆(東京都立町田高校・定時制)、寺島和彦(東京都立町田工業高校)「町田地区の就労状況と労働 
  教育」
3.総括討論
  コメント:筒井美紀(法政大学)

高須さんからは、「労働教育カリキュラム研究プロジェクト」を今年6月に立ち上げ、これまで研究会で取りあげてきた実践を再検討して、実践報告としてまとめる作業を進め、労働教育研究会のホームページ(http://www.kisc.meiji.ac.jp/~labored/labor_education/)及び労働教育カリキュラム研究プロジェクトのホームページ(http://www.kisc.meiji.ac.jp/~labored/labor_education/labored_project/curriculam.html)に掲載したことが紹介され、次いで、「対話型労働教育の試行錯誤」と題して、外部講師として高校に呼ばれて労働教育を行った経験をもとに、一方的授業や大学生向けのビデオでは生徒に受け入れられず、寸劇を取り入れたりして対話型の授業に変えるなど試行錯誤をしながら労働教育を実践してきたことの報告がありました。
高須さんの報告を聞いて感じたことは、授業での創意工夫はとても大事なことですが、外部から講師を招く場合には、依頼した高校の教員と外部講師との関係性をどうとらえ、活かしていくのかが重要だと考えているので、その点についてもっと掘り下げてほしかったことです。

中山さんの世界史の授業で行った労働教育の実践は、産業革命期の労働問題を考える中で、現代の労働問題との共通性があることを理解させ、労働問題の解決策を考えさせるというものでした。現代の課題を歴史と結びつけて深く理解させる「逆さま歴史教育」の研究の一環として取り組んだもので、興味深い実践でした。

三好さんの報告は、定時制のさまざまな問題を抱えた生徒たちがいるなかで「現代社会」の授業で、アルバイトのアンケートをもとに、労働教育に取り組んだことを紹介したものでした。また、寺島さんの報告は、『これだけは知っておきたい!働くときの知識(高校生版)』という小冊子を活用して実践した労働教育の紹介でした。

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筒井さんは、4人の報告者への質問とともに、労働教育を広めるために、(1)先ず自分の労働教育を楽しむ(その原動力は何なのか)、(2)仲間を増やす、(3)進学校にマッチしたキャリア教育を編み出す(cf.児美川孝一郎)、をあげ、意見交換をしていきたい、と問題を提起しました。

私は、1年次から3年間を通して系統的に全校でキャリア教育を取り組み、その中で労働法教育も行ってきた経験をもとに、リーダーになる教員が中心となり、教師集団の意識づくりを進めることが必要であること、校長など管理職の理解を得て行うこと、管理職が労働教育の必要性を理解するためにも(日本労働弁護団が提言している)ワークルール教育推進法を制定すること、教員養成でもキャリア教育・労働法教育の必要性を入れるようにすること、などを発言しました。
フロアから出された意見は筒井さんの問題提起を深めるものばかりではありませんでしたが、今後、研究会の中でぜひ議論を進めて行ってほしいと思っています。

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