多摩私立9大学研究会

東京多摩私立大学広報連絡会と多摩地区高等学校進路指導協議会による合同研究会が10月7日、実践女子大学日野キャンパスで開かれ、参加をしてきました。

画像


東京多摩私立大学広報連絡会は、1989年に亜細亜大学・杏林大学・国際基督教大学・成蹊大学・津田塾大学・東京経済大学・日本獣医畜産大学・武蔵野大学の8 大学で発足し、現在、加盟校は入れ替わりがありますが、9 大学が加盟しています。多摩高進との関わりは、1995 年に多摩高進の幹事の先生方との情報交換会をしたいという申し入れがあったのが最初ですが、当時、立川地区の代表幹事をしていた私は、森健介事務局長(当時、白梅学園高校)と話をし、合同研究会の開催を要望することとし、広報連絡会でもその要望を受け入れてくださり、翌96 年から合同研究会が行われるようになりました。テーマは多摩高進の幹事会で出された要望をふまえて、広報連絡会と協議をしながら決めていきました。したがって合同研究会も今年で20年ということになります。

今年のテーマは、昨年度に引き続いて高大連携・高大接続の取り組み。
プログラムは、石森宏茂さん(ベネッセコーポレーション)による基調講演「入学後も学び続ける学生を評価する高大接続について-高大接続による『地域の教育力向上』を考える」と、各大学の「主な高大接続・連携に関する取り組み」の報告、そして分科会(ワークショップ)でした。

石森さんの講演は、(1)現在進められている高校教育改革・大学入試改革・大学教育改革という三位一体の改革がめざしているのは、これからの社会で活躍する力、自ら課題を発見し、他者と協働し、答えを作り出す力を持つアクティブラーナーを育成すること、そのため(2)高校の指導でも、探究型学習、アクティブラーニングの充実、英語4技能指導の充実などが求められていること、また、(3)教育目標に基づく指導と評価の一体化が重要になってきており、目標に準拠した評価(ルーブリック評価)、プロセスの可視化(ポートフォリオ)、資質・能力の測定(コンピテンシーテスト)が求められていること、を指摘しました。そのうえで、大学入試を取り巻く環境の変化の動きとして、入試科目負担増、入試問題内容の変化、外部英語試験の活用をあげ、主な大学の事例を紹介、また、今後の学力の3要素を評価する多面的総合的入試の導入に向けて、SGH・アソシエイト校の課題研究発表会を開催している関西学院大学、入学者選抜方法における重点評価項目を公表している徳島大学、高校時代の学習歴を入学できるポータルサイトを運用し、WEB出願に連動することが可能な四国国立5大学連合の取り組み、県内の高校生が県内企業・NPO・大学等と協働してプロジェクト学習に取り組む広島県教委の取り組み、大学で学ぶ意欲と姿勢をもった高校生を育成していくアサーティブ入試を実施している追手門大学などの事例を紹介しました。そして今後は、入試を通して高校生を集め、育成し、発掘していく入試選抜を行うこと、地域で高校側と大学側が連携し、共に高校生を育てていくことが重要で、この多摩地区でもそのような高校生育成プログラムができないか、と問題提起をして講演を終えました。

石森さんの最後の問題提起は、私が多摩高進の50周年記念研究協議大会(2012年)で報告した「多摩高進の60年」の、今後の課題の中で述べたことと共通した問題意識があるように思いました。私は、次のように述べたことがあります。
「私は、多摩高進をバックにして多摩地域全体でのキャリア教育の取り組みをぜひ行っていただきたいと思っています。すでにそのいくつかは行われていますが、高校から大学、あるいは専門学校への連続的なキャリアデザインの形成という視点から、高大連携、高専連携を考えて、それに取り組んでいくということが必要なのではないか。この多摩高進を中心にして、ハローワークや企業、あるいは大学、専門学校によるネットワークを構築していくことが生徒のために必要だろうと思います。たとえば高校生がインターンシップやジョブ・シャドウイング、あるいは課題研究等を取り組場合に、その協力体制を地域のネットワークを構築してやっていくということが、これからますます必要になってきているのではないかと思っています。
もう1つは、新しい高大連携のあり方を検討し、取り組むことです。これはベネッセの『VIEW21』(2005 年4 月号)にも出ていますけれども、より双方向的な、持続的な高大連携のあり方を進めていく必要があると思っています。つまり、高校と大学の教員が共同で、生徒・学生の育成を連続的な視点から教育の改善を図る議論を進め、高校と大学の教員がお互いの教育活動に参画していく、そういう取り組みもこれからは必要になってくるだろうと思っています。」
石森さんの問題提起に即して考えれば、たとえば、多摩私立大学広報連絡会の各大学が、多摩高進と連携して高校生を集めてプロジェクト学習に取り組み、活動内容の発表会を行い、その活動の取り組みを大学側が評価し、高校生が受験する場合には大学入試選抜にも生かせるようにすることが考えられます。
この問題提起はぜひ、広報連絡会、多摩高進でも取り組みを検討していってもらいたいと思っています。

9大学の主な高大連携・高大接続の取り組みの報告は、各大学ごとにそれぞれ特色ある取り組みを紹介していました。
その中では、実践女子大学のWCV(ウイークデーキャンパスビジット)や、祝日授業美を利用し高校生が大学の授業に参加をする取り組みに関心を持ちました。東京経済大学のように高大連携協定を結んでいる高校の生徒に対して大学の授業を開放している取り組みは知られていますが、高校生の受講は限られます。これに対して大学が祝日でも授業日としている場合、大学側が開放している授業を高校生が参加できるという取り組みは、模擬授業とは違って、実際の大学の授業を体験できるので、もっと高校側に知ってもらってよい取り組みだと思いました。場合によっては広報連絡会として情報を1つにまとめて高校側に知らせることも考えられます。

広報連絡会と多摩高進との連携が20年になっていることを機に、多摩地域の高校生のキャリア形成のためにどのような連携・協力関係ができるのか、両者の連携のあり方をぜひ再構築してほしいと思っています。
また、近年、広報連絡会の加盟大学が減少しています。両者の連携のあり方を再構築していく中で、広報連絡会として、成蹊大学、津田塾大学、武蔵野大学、杏林大学、工学院大学などの復帰や新しい大学の新規加盟を働きかけていただきたいと思っています。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック