労働条件セミナー講師中央研修

全国労働基準関係団体連合会(全基連)が主催する「平成28年度高校生・大学生等を対象とした労働条件セミナー講師中央研修」が10月4日、主婦会館プラザエフで行われ、講演をしてきました。

画像


全基連事務局長・青山平八さんより高校生を対象とした労働法教育を行うにあたっての留意点を講師となる労基署OBや司法書士の方々に話をしてほしいという依頼があり、90分ほど時間をいただき、講演をしてきました。

画像


「高校生に労働関係法等の基礎知識を教えることとその留意点」というテーマで、その内容は、高校のキャリア教育の現状、高校における労働法教育の現状、高校生のアルバイトの現状、労働法教育の実践、労働法教育を進める際の留意点という構成で話を進めました。

高校でのキャリア教育は、公立高校を中心に取り組まれるようになっているが、労働法教育に関わる「諸リスクへの対応に関する学習」を行っている学校は相対的に少ないこと、労働法教育も「ブラック企業」や「ブラックバイト」の問題が社会問題化する中で取り組む学校が増えているが、全体しとては「一部の教員の個人的情熱におうところが大きい」現状にあること、高校生のアルバイト経験は中堅校以下では多くなっているが、高校では原則禁止ないし許可制の学校が多く、生徒のアルバイトの実態を把握している学校は少ないこと、そうした生徒・高校の現状を踏まえて労働教育を行うことが求められるとし、先駆的な実践事例として、神奈川県立田奈高校での吉田美穂実践、千葉県立犢橋高校での角谷信一実践などを紹介し、あわせて桜華女学院(現・日体桜華)高校で私が在職していたときに取り組んだ労働法教育の事例を紹介しました。そして最後に、外部講師としての留意点として、まず心構えとして、依頼を受けた高校の教員とコミュニケーションを取り、生徒の状況や学校側の要望を踏まえ、「この講師は、自分たちの生活・将来のことを本気で考えてくれるから、こういうことを言っているんだ」と生徒たちに思ってもらえること、また、「この講師と学校の先生は繋がりが強く、先生に相談すればこの専門家にも繋がるんだ」と思ってもらえることが重要であること(筒井美紀)、テキスト・資料については、出来るだけ生徒に判りやすい表現・表示を心がけ、パワーポイントも映像や写真・イラストなどを取り入れ、文字ばかりにならないように工夫すること、授業方法も、一方的な講義にならないように、クイズ形式や寸劇を取り入れたり、話し合いや発表を行ったり、生徒に活動させる工夫をすること、そして最後に、労働法教育を通じて生徒に伝えるべきこととして、ブラック企業対策プロジェクトが提言している、「①会社の言うことが全てではない、②証拠・記録を残す、③おかしい、つらいと感じたら、すぐ専門家に相談する、④あきらめない、自分を責めない」を紹介しました。

このような講演で、期待に添うものであったのかどうか判りませんが、質問も出て、熱心に聴いてくださったのはありがたいことでした。中には高校生向けに授業をして判りやすいように工夫をしているという方からは、講演を聴いて方向は間違っていないことで確信が持てたと発言される方もいらっしゃいました。

若者雇用促進法が制定され、厚生労働省を中心に、労働法教育に取り組むことが進められ、高校生向けの教材作成も進んでいます。どんな教材なのかは、まだわかりませんが、いずれにせよ、高校現場でキャリア教育の一環として労働法教育が積極的に取り組まれていくことを期待しています。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック