大学院生の奨学金問題

全国大学院生協議会(全院協)は11月28日、大学院生の経済実態に関するアンケート調査を踏まえて、文部科学省に対し高等教育の漸進的無償化、経済的支援の抜本的拡充、国立大学運営費交付金と私学助成の拡充などを要請しました。

アンケート調査は今年6月から8月にかけて実施し、82国公私立大学の1000人から回答を得ました。回答者の約6割が奨学金を借りており、その半数は総額が300万円以上におよびます。また、院生の中で700万円以上の借り入れは9.3%、1000万円以上は3%となっています。

2012年、民主党政権時代の政府は高等教育の漸進的無償化を定めた「国際人権A規約第13条2項(C)」の留保を撤回しました。ところが、高等教育や学術研究に対する予算は拡充されず、大学院生への経済支援や研究環境保障は未整備のままとなっています。

OECD34か国のうち、大学授業料無償が17か国、のこりの17か国中16か国に給付型奨学金があります。しかし、日本は授業料有料にもかかわらず、公的な給付制奨学金制度はありません。返還免除制度もきわめて限られており、有利子が4分の3を占め、返済には大きな困難がともないます。
調査結果では、返済に対する不安の有無では「かなりある」が43%、「多少ある」が31・7%でした。
また、52・6%がアルバイトをしており、その9割が「生活費・学費(研究費を含む)をまかなうため」となっています。研究時間が十分確保できない要因の最多は「アルバイト」(25・5%)でした。さらに、収入不足による研究への影響では、「研究の資料・書籍を購入できない」(42・6%)、「学会・研究会にいけない」(25・4%)、「調査にいけない」(24・1%)と続いています。(『赤旗』2014年11月29日付)

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『赤旗』2014年11月29日付より

全院協には大学院生の時代に役員を務めた経験があります。
私は奨学金の給付を受けたことはありませんでしたが、多くの院生は奨学金をもらっていました。私の頃には教員になれば奨学金の返済は免除になっていましたが、いまはそのような制度もなくなりました。経済的に恵まれない若手研究者のために給付型の奨学金制度の創設は急務といわなければなりません。

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