「職業実践専門課程」の第三者評価フォーラム

文部科学省は、今年4月からスタートした専門学校の「職業実践専門課程」の取り組みを通じて、その「課題や成果などを検証するとともに、新たな枠組みのイメージに対する社会的な認知・共有を進めていく」という専修学校の質の保証・向上に関する調査研究協力者会議の報告書(2013年)を受けて、①職業実践専門課程の実態調査を実施し、各認定要件が質の保証・向上に効果的に機能しているかを検証する、②職業実践専門課程の各認定要件等に関する先進的取り組みを推進する、の2つ事業に予算をつけて進めています。
そのうち②について、文科省が採択した、ファッション、情報・IT、介護福祉士、柔道整復師など8分野のコンソーシアムによる第三者評価の取り組みに関する中間報告を行う「「職業実践専門課程」の第三者評価フォーラム」が12月18日、東京・四谷の主婦会館プラザエフで開かれ、参加してきました。

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プログラムは、次の通りでした。
・基調報告
 「職業実践専門課程における第三者評価の方向性」白鳥綱重氏(文部科学省専修学校教育振興振興室長)
 「医学教育分野の質保証とグローバルスタンダード」福島統氏(慈恵会医科大学教授)
・各コンソーシアムの取り組み状況報告
 ファッション分野、情報・IT分野、ゲーム・CG分野、美容分野、介護福祉士養成分野、柔道整復師養成分野
・講評
 「専修学校における質の改善・向上と質保証」川口昭彦氏(大学評価・学位授与機構名誉教授)

白鳥氏は、職業実践専門課程において第三者評価のあり方を検証する取り組みの経緯を説明し、専門学校は第三者評価は制度上の義務づけはないが、職業実践専門課程への期待感が高まり、新しい枠組みの制度化の議論が進められている現在、社会の信頼を得るツールになっており、その優れた取り組みの発信が必要となっている、と第三者評価のあり方を検証する取り組みの意義を説きました。

福島氏は、ECFMGの宣言(2010年)や大学での医学教育での分野別質保証の評価基準を定めたWHOの手順を紹介し、それが医学教育でのグローバルスタンダードになっていることを指摘したうえで、職業教育に関わる学校は、専門職業職者として、「能力」のある卒業生を社会に出し、社会貢献する責任があり、学校評価を通して職業教育は進化し続けなければならないことを説きました。

各コンソーシアムからは、取り組みの進捗状況が報告されましたが、とくに柔道整復師養成分野で報告した関口正雄氏(私立専門学校等評価研究機構理事)は、指定養成施設では、指定規則をクリアしていれば良いのではなく、柔道整復師としてキャリア形成をしていく観点から、ミニマムスタンダードは指定規則プラスアルファと各学校の目標設定で評価されるべきで、それを第三者評価で見ていくことにより、質の保証・向上を図ることでないと、社会から信頼されず、特に高校の進路指導の先生方から評価を得なければ生徒を送ってくれないことを強調しました。

講評で川口氏は、学校評価とは「学校における諸活動の質改善・向上と質保証が目的」であり、評価は、その目的を達成するために行う必要な手段であること、そのために各分野でフレームワーク(枠組み)をきちんとつくり評価していくことが重要であることを強調しました。

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専門学校における職業実践専門課程の先導的試行は、今年4月から始まったばかりですが、教育再生実行会議の第五次提言(2014年7月)で「質の高い実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関」の設置を提言したことを受けて、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議が設置され(2014年10月)、議論が始まっています。職業実践専門課程での第三者評価の取り組みは、将来的には職業教育における新たな高等教育機関として学校教育法第1条に位置づけていくねらいをもった取り組みだと考えています。その意味で8分野で進められる第三者評価の検証は重要な意義を持っていると考えています。

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