”ブラックすぎる”学校経営

『週刊文春』2013年6月27日号に「ワタミ渡辺美樹会長”ブラックすぎる”学校経営」という記事が掲載されています。

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社員の過労自殺問題などでブラック企業との批判があるワタミの創業者・渡辺美樹会長が、こんどの参議院選に自民党から比例区から出馬することになったことについて、『週刊文春』は、渡辺会長の関係するワタミグループの経営のあり方を批判するキャンペーンを張っています。
第一弾では外食産業での過労自殺事件や労働基準監督署から長時間労働で是正勧告を受けていること、第二弾は介護事業で複数の死亡事項が発生し遺族とトラブルになっていることを報じ、そして第三弾では自身が理事長を務める学校法人郁文館(現・郁文館夢学園)の学校経営について報じています。

郁文館は1889年に創立された伝統校でしたが、30億円の負債を抱えて破綻寸前になっていたのを、2003年に経営再建に名乗りを上げて理事長に就任したのが渡辺氏でした。その郁文館の現状について『週刊文春』は、渡辺氏が来てからの5年間で教員の給料は3分の2くらいに減り、また03年から2年間で30人が退職したこと、今年3月に卒業した中学生の学年では10人以上が退学し、問題を起こした教員や生徒には反省文を書かせ、最高で300枚の反省文を命じられた生徒もいたと報じています。

郁文館の理事長に渡邉美樹氏がなり、校長に小林節慶応大学教授が就任した当時は、マスコミでも大きく取り上げられ、私も私学教員の一人として関心を持っていました。フジテレビの「ザ・ノンフィクション」で放映された「居酒屋社長の学校改革」も視聴し、渡辺氏の『さあ、学校をはじめよう』(2004年)も読みました。授業中に校長が教師を罵倒していること、前教頭が図書主任に降格されるなど頻繁に校内人事の異動が行われたこと、多くのベテラン教員がやめていったことなどが、明らかになっています。

『週刊文春』の記事には、校長であった小林教授が、「渡辺さんと二年間一緒に仕事をしたが、彼はカメラの前でパフォーマンスすることばかり考え、人を利用したら捨てる。権力を預かるにふさわしい人間とは到底思えません」とのコメントが掲載されています。コメントでは発言の一部分が切り取られて掲載されていることが多いので、自己批判をしているかも知れませんが、頻繁に校内人事の異動を行い、多くの教員を退職に追い込んでいったのは、当時校長であった小林氏にも当然責任があります。渡辺氏とともに学校経営を担っていた小林氏が、そのことに少しも触れず、渡辺氏を批判しているのは解せません。
現に校長をしている日体桜華高校では、郁文館の校長時代と同じように、頻繁に校内人事の異動を行い、多くの教員を退職に追い込んでいます。そこには何ら郁文館時代の学校運営を反省しているとは思えません。

いま少子化の中で学校経営が厳しくなっている私立学校の中には、非正規雇用の教員を多く採用し、常勤講師に担任を持たせる学校も少なくなく、非常勤講師に部活の顧問を持たせる学校もあります。また、校長の意にそわないことがあると、年度内でも頻繁に人事を変えたり、パワハラなどにより退職をよぎなくされる教員が少なくない学校もあります。こうした学校経営のあり方は「ブラック企業」と同じといえます。教員がやめていっても、代わりの教員はいくらでもいると考えているからです。
郁文館に限らず、そうした学校経営をやめさせていく取り組みが、求められています。

この記事へのコメント

2019年07月24日 13:00
学園でもブラック全開ワタミくんw

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