「東京家族」

山田洋次監督の監督生活50周年を祈念した作品「東京家族」を観てきました。

作品は、小津安二郎監督の名作「東京物語」をもとに、小津監督への尊敬の念をこめて製作されたものです。

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映画は「東京物語」の舞台を東日本大震災後の現代に移し、瀬戸内海の小島と東京という物理的な距離と会えない時間的な距離がいかに家族のあり方を変容させていくのかを描いています。

周吉(橋爪功)ととみこ(吉行和子)は、東京へ出て行ってしまった3人の子どもたちに会うためにやってきます。医院を開業している長男の幸一(西村雅彦)一家と過ごすはずでしたが、急患のためキャンセルとなります。美容院を経営する長女の滋子(中嶋朋子)のところへ行きますが、ここも狭く、長くはいられません。周吉とはウマが合わない次男の昌次(妻夫木聡)が両親を東京観光に連れ出しますが、周吉と昌次は気まずくなります。周吉は、舞台美術の仕事でフリーターのような昌次に対して小言を言う。
周吉にすれば息子にきちんとした仕事と生活をしてほしい親心ではあるが、昌次には煩わしい。それはいつの時代にも繰り返されてきた親子の葛藤ですが、自分の息子を見ていても感じるところがあり、切なさを覚えてしまいます。

独立した家族を持ち、働き盛りの息子や娘はそれぞれの生活があり、二人にかまってあげる余裕はありません。二人を横浜のホテルに宿泊させることになります。そんな状況に寂しさを覚えた周吉は、自己の生き方を否定されたかのように感じて、やめていた酒を飲んで騒動を起こしてしまう。一方、昌次の部屋に泊まったとみこは、そこで恋人の紀子(蒼井優)を紹介され、昌次が自分の優しさを受け継いでいるうえに、心遣いのできる娘と付き合っていることに喜び、幸一の家に戻ったところで倒れてしまう。

年老いていくことの幸せと不幸。そのどちらをも含めて人生なのです。そんなことを思うと、自分自身がその年齢に近づいてきていることと重ね合わせていくうちに、しぜんに涙がでてきてしまいました。
家族のたいせつさを感じ、自分のたいせつにしたい生き方を教えられた映画でした。

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http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tydt/id343237/より

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