公立学校教員の病気休職

文部科学省は12月24日、「平成23年度公立が校教職員の人事行政状況調査」の結果を発表しました。

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文部科学省「平成23年度公立が校教職員の人事行政状況調査」より

この調査は、公立小中高や特別支援学校の教員約92万1000人を対象に、休職者や処分者について調査したものです。

2011年度は、休職者8743人のうち、病気休職者は8544人で、そのうち精神疾患による休職者は5274人でした。鬱病などの精神疾患による休職者は1993年度から増え続けていましたが、過去最高だった2009年度から減少しています。しかし、威信疾患を理由とする休職者は6年連続6割を超えています。新規採用教員では、病気が理由で正式採用にならなかった人のうち、約9割は精神疾患によるものです。

学校種別でみると、小学校が2347人で最も多く、中学校が1566人、高校が819人となっています。年代別では、40台以上で多くなっており、50代以上が2037人(38.6%)、40代が1712人(32.5%)となっています。

このように精神疾患による休職者が増えている背景には、(1)文部科学省の調査でも小・中学校教員の1日平均の労働時間が10時間を超え、1か月の残業時間が過労死ラインを超える90時間にものぼっていることからも知られるように、仕事量が多くなっていて、教員にゆとりがないこと、また、(2)「教育改革」の名のもとにあらたな仕事が課せられ、教員同士が競わされ、厳格な管理体制が敷かれていること、さらに(3)教員一人ひとりがばらばらにされていて、教育実践その他での悩みや葛藤を同僚と相談したり、自らの実践を振り返るなどして、改善・解決していくことが困難になってきていること、(4)教育委員会の指導に忠実で不祥事を起こさないまじめな努力家が教員として採用され、管理職などの指示にはきちんと従い仕事をこなすものの、自分からは何もやろうとしない教員が多くなり、教員同士がお互いに助け合って教員集団としてまとまって生徒を指導していこうという意識が希薄な教員が多くなっていること、などがあげられます。

教員を増やし、1クラスの人数を減らし、生徒と向き合える学校現場にすること、教員や学校同士を競わせるのではなく、協力し支え合う関係づくりをしていくこと、このことこそがいま学校には求められています。このことは公立学校に限らず、私立学校の場合にも求められていることだと思っています。教員にゆとりがなくていい教育はできないと考えるからです。

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