はたして、企業は入試種別によって採用しているのか?

10月5日の午後、多摩地区高等学校進路指導協議会と東京多摩私立大学広報連絡会との合同研究会が実践女子大学であり、出席してきました。

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今年の研究会テーマは「はたして、企業は入試種別によって採用しているのか?」でした。
これは、『プレジデントファミリー』(2010年11月1日号)を始め雑誌や週刊誌、ネットで、企業の人事担当者が新卒採用でAO入試や推薦入学者に厳しい目を向け、高校名を重視するようになっている、ということが広く流布されるようになっていることから、実際どうなのか議論しようというものでした。

研究会のプログラムは次の通りでした。
第一部 基調講演および事例報告
    基調講演 小野和久氏(多摩信用金庫人事部長)
    報告 大学生による就職活動体験
第二部 分科会

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基調講演をされた小野氏は、たましんでは入試種別によって採用していない、と話され、都内15信用金庫でも同様で、AO入試で入学したかどうかは面接で聞くことはあっても、それで決めてはいないこと、大手就職支援会社2社の回答でも、入試種別によって採用している企業は知っている限りない、ということであったと話されました。たましんの今年の内定者95人の入試種別の内訳を調べたところ、一般入試58人(61%)、推薦入試(付属を含む)34人(36%)、AO入試1人(1%)、不明2人(2%)であったということです。
小野氏は、企業の選考について、マスコミは大手企業を例に地頭の学生を採りたいといっていることを取り上げているが、それは数万人の学生がエントリーするので、絞り込むために、一部大手企業で一般入試か、どの高校かをみている企業があるのも事実である。しかし、一般的な企業は、入試種別で採用はしていないし、AOだから不利ということはない、機会は均等にある、ということを話されました。

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学生による就職体験談は、推薦入試、AO入試で入学して今年、就活で内定を得た4年生4名が体験を語ってくれました。学生は、文系から亜細亜大学、東京経済大学、理系から明星大学、工学院大学の学生でした。就活ではみな、どんな仕事をしたいのか明確な学生たちで、入試種別で不利という経験はしなかった、と話していました。各大学のキャリアセンターの活用については、履歴書の添削や、卒業生との懇談会、企業の人事担当者との説明会には参加したが、就職相談等で利用したことはなかった点では共通していました。また、SPIについては、理系ではエントリーシートの提出、書類選考のあと、絞り込みのためにSPIが課せられたのに対し、文系では必ずしもSPIがあるとは限らないという、文系と理系では違いがあることかわかりました。

今回出席された学生はみな、優秀で、インターンシップに参加したり、サークル・部活動、ゼミ・研究活動に積極的に参加をしている学生でした。したがって、キャリアセンターを利用しなくても自ら就活をすることが出来た学生でしたが、そうではない、キャリアセンターを利用した学生の体験談も聞きたいところでした。

テーマであった「はたして、企業は入試種別によって採用しているのか?」については、企業規模や業種によっても対応は異なると考えられ、一律ではなく、ごく一部の大手企業では入試種別による選考がなされていると考えるのが妥当のように感じました。


この多摩高進(多摩地区高等学校進路指導協議会)と多摩13大学(東京多摩私立大学広報連絡会)との合同研究会は、1996(平成8)年から続いている研究行事です。95年に広報連絡会から多摩高進に幹事の先生方と情報交換をしたいとの要請があり、両者の交流が始まりました。私も当時、多摩高進の役員をしていましたので、情報交換会に参加をしましたが、すでに専門学校とは多摩専協(多摩地区専修学校協議会)と合同研究会を続けていましたので、大学とも合同研究会を開催したい旨を提案しました。翌年、この提案が受け入れられ、研究会が始まりました。第1回合同研究会のテーマは「大学の就職指導と就職状況」でした。多いときには50名くらいの高校の先生方の参加がありました。今年は高校の先生方の参加は20名くらいで、参加者が減少しているのは寂しい限りです。地域における高大連携を深め、高校と大学との接続のあり方を共に考えていく機会として、ぜひ多くの高校の先生方に参加をしていただきたいと思っています。

  

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