過労社会

『東京新聞』は2012年5月26日付朝刊から3回にわたって「過労社会-防げなかった死」を掲載しました。
「過労死」という言葉が登場してから30年が経つにもかかわらず、20歳から59歳の男女の約1割に当たる約503万人が「過労死ライン」を超えて働いている現状を告発しています。

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『東京新聞』2012年5月28日付朝刊

26日は「急成長ワタミ「労使一体」」。
ワタミフーサービスの創業者渡邉美樹氏は「社員は家族」と言っていましたが、月140時間の時間外労働をさせ、2008年に入社2か月で森美菜さん(当時26歳)は自殺に追い込まれました。しかも、三六協定を結ぶ際にも、店長がアルバイトの中から代表を指名して協定届に署名させていたという、労働基準法に定められた労使間の手続きを踏まないで時間外労働をさせていたことが明らかになりました。ワタミの急成長のウラには、こうした「労使一体」の実態があったことを明らかにしています。

27日は「外食大手「うちだけじゃない」」。
2007年に大手居酒屋の「大庄」に入社した吹上元康さん(当時24歳)は、入社4か月後に心機能不全で死亡しました。月78~127時間の残業を強いられていました。裁判の過程で会社側は、外食大手13社の三六協定を列挙し、「外食業界では、上限100時間の時間外労働を労使間で合意するのは一般的だ。他の業界でも、日本を代表する企業でも同様だ」と主張して、厚生労働省が「過労死ライン」としている月80時間を超える時間外労働を当然視していたことを明らかにしています。

28日は「命より大切な仕事って」。
約250人の過労死遺族でつくる「全国過労死を考える家族の会」代表の寺西笑子さんや、「過労死弁護団全国連絡会議」事務局次長の岩城穣弁護士らが、「過労死防止基本法(仮称)」の制定を求めて現在、全国で署名運動を行っていることを紹介しています。
記事は、「命より大切な仕事って何ですか」。家族を奪われた女性たちの訴えから、過労死根絶へ大きなうねりが起きつつある、と結んでいます。

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時間外労働は例外であるにもかかわらず、それが当たり前になっている日本の「過労社会」。国と企業の責任を明確にし、過労死を防止すること。そのことがいま求められています。

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