「いい専門学校 悪い専門学校」

『週刊ポスト』2012年3月30日号に「いい専門学校 悪い専門学校」という記事が掲載されていました。

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大学全入時代に入り、大学生の就職難が続く中で、「中堅レベル以下の大学であれば、専門学校に行くほうがいい」とう趣旨の記事で、『大学より専門学校がトク』(エール出版社)を毎年刊行している松本肇氏への取材を中心にまとめたものでした。

「いい専門学校」として全国30の学校が紹介されていますが、分野ごとに見ていくと、疑問符が付くような学校もあれば、もっと評価が高いと考えられる学校が載っていなかったりしています。この30の専門学校が「全国のスーパー専門学校」といってよいのかは疑問が残ります。

大学と同様に専門学校も教育内容や就職状況などには学校間格差があり、学校選択にあたっては慎重を期す必要があります。記事では、「”トップ校”の一方で、”悪い専門学校”が存在するのもまた事実」とし、松本氏は「親御さんとしては、HPや資料にきっちり目を通すだけでなく、インターネットで検索したり、ツテを辿って学校の評判を確かめるなど情報収集もしてあげてほしい」と述べていますが、もう少し具体的な学校選択の基準を示さないと、一般の人にとっては、学校選びは難しいのではないかと思います。

松本氏は、アドバイスとして、財務状況などの情報開示の度合いを調べること、分野では「映画や音楽、アニメといったクリエイティブ系の学校」に「大枚を払うのは合理的ではない」ことを指摘しています。
専門学校の情報公開は進んでおらず、とくに在籍生徒数や財務状況についてWebサイトなどで公開している学校はきわめて少ない現状にあります。東京都専修学校各種学校協会が文部科学省の委託で実施した「専修学校の質保証・向上に資する取組の実態に関する調査研究」の調査結果(2012年)によれば、「財務状況」を公開してる学校は全体の14%に過ぎません。したがって現状では、情報公開を積極的に行っている学校は、公開していない学校よりも評価できるということになります。
また、専門学校の就職状況は分野によっても学校によっても異なります。専門学校卒業者に占める就職者の割合は74.7%ですが、分野ごとでは、医療分野の88.4%が最も高く、服飾・家政分野は53.8%で最も低く、クリエイティブ系が多い文化・教養分野は54.2%となっています(文部科学省「学校基本調査」2009年度間、リクルート進学総研、進路環境データ2011、による)。全体として文化・教養分野の就職は厳しいことが分かりますが、また学校によっても差があります。卒業生ごとの就職先一覧を公表している学校を比較検討して選ぶことが望ましいといえます。

記事では、安田理氏(安田教育研究所代表)が「最近は一流大学から一流企業に入ってもいつリストラされるかわからない時代」であり、「今後は日本でも労働力の流動性は高まっていくはず。大学があまりにも一般化した一方で、専門学校の価値が見直されることになると思います」とコメントしていますが、専門学校が社会的にも見直され評価されるためには、教育内容や教員の質の向上、キャリア教育・職業教育の充実をはかるとともに、学校評価を実施し、情報公開を積極的に進めていくことが求められていると思っています。

*東京の専門学校について、私の評価を知りたい方は、HP「明日への学び」からお問い合わせください。

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