2010年新卒者、半数以上が早期退職または就職できず

『毎日新聞』2012年3月20日付朝刊によれば、2010年3月に卒業した人のうち、就職できなかったり、就職から2年以内に退職する人の割合が、大学・専門学校生で52%、高校生で68%(いずれも中退者を含む)に上ることが、内閣府が19日に公表した推計で分かったことを報じています。
政府は、若者の雇用が予想以上に悪化しているとして、就職の「ミスマッチ(休職者と雇用者の意識の食い違い)」対策などを防ぐため、近く有識者による組織を設置し、6月をメドに就職支援の拡充策をまとめるとのことです。

推計は、3月19日の内閣府雇用戦略対話(第7回)で報告された「若者雇用を取り巻く現状と課題」という資料で、全国すべての学校の就職状況をまとめた文部科学省の統計や雇用保険の加入状況をもとに初めて算出したもので、厚生労働省・文部科学省が毎年行っている就職内定率調査が大学・専門学校については一部の学校の抽出であるのにたいして、調査範囲が広いだけでなく、早期離退職(就職から3年以内に離退職)の影響なども加味しており、若年雇用の実態をより正確に反映しているといえそうです。
 推計によると、大学・専門学校卒業者では、大学院などへの進学者を除いた77.6万人のうち、73%の56.9万人が10年春に就職したが、このうち19.9万人が離職、卒業後、無職・アルバイトなどの人(14万人)と、同年卒業予定で中退した6.7万人を加えると、無職か安定した職に就いていないとみられる人は40.6万人に上り、全体の52%を占めています。
また、高校卒業者(115万人)で進学しなかった35万人のうち、18.6万人は就職したものの、7.5万人が離職、継続して雇用されている人は11.1万人と、全体の32%しかいません。卒業後もずっと無職かアルバイトなどで生計を立てている人が10.7万人おり、中退者を含めて全体の68%が非正規雇用でした。
中学校卒業者で進学しなかった1.9万人のうち、就職できたのは0.5万人。しかし、そのうち0.3万人が離職したため、安定した職を得られていない人は89%に上ると推計されています。

画像
内閣府「若者雇用を取り巻く現状と問題」より
画像
http://mainichi.jp/life/today/news/20120320ddm008020046000c.html/より

調査を行った内閣府は、学生が自らの適性や就きたい職業を十分に検討しないまま就職しているなどの課題を指摘しています。在学中に実際の職場で就労体験をするインターンシップが普及していないことや、学生の大企業志向が強いため、採用意欲の旺盛な中小企業とのミスマッチが生じていることが、離職者や正規雇用の少なさの一因になっていると分析しています。

新卒者の雇用環境が悪化したのは、グローグル競争の中で企業に人材育成の余裕がなくなったことや、大企業を中心とした製造業の海外移転、円高などにより雇用の減少が進行していることがあります。しかし、若者が安定した職につけないと結婚して家庭を持つことが難しくなり、少子化が一層進むことになります。国や自治体は、産業界と一体となって、大企業の社会的責任として雇用の拡大を求めるとともに、成長の期待される中堅・中小企業や企業間取引が主力のメーカーなどに若者の目を向けさせ、若者の雇用を計ることが早急に求められています。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック