時間外労働ランキング

「My News Japan」によれば、『日本経済新聞』2010年2月22日付朝刊の就職人企業ランキングに掲載された225社の労働基準監督署に提出された時間外労働の協定書(36協定)を情報開示請求で入手したところ、225社のうち60.8%にあたる137死が、国の過労死基準を超える時間外労働を命じることができる労使協定を締結していることが明らかになりました。

1年間で見た場合の時間外労働時間ワースト1は、大日本印刷(1920時間)、2位が任天堂(1600時間)、3位がソニーとニコン(1500時間)でした。労使一体となって社員を死ぬまで働かせる仕組みが、大半の企業でまかり通っていることがはっきりしました。

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http://www.mynewsjapan.com/reports/1385/より

国の過労死の認定基準は「発症前1か月間におおむね100時間」または「発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間」を超える時間外労働があった場合となっています。
この基準を超える時間外労働が可能かどうかをチェックしたところ、時間外労働の上限を月100時間以上としているのが、ソニー、NTTドコモ、野村総研、三井物産など50社。2か月連続して80時間以上の時間外労働を可能としているのが、トヨタ自動車、ファーストリテイリン゛、スクウェア・エニックス、ベネッセコーポレーションなど66社でした。

就職人気企業の時間外労働の上限が網羅的に明らかになったのは今回が初めてだということです。これは、実態を示すものではないにしても、過労死の認定基準を超える時間外労働を可能にする36協定を結ぶこと自体が問題だと言わざるを得ません。21世紀になっているのに、日本の有名企業が、「日本之下層社会」や「女工哀史」の時代と何ら変わらない長時間労働を強いる現状を早急にただす必要があります。まして、法律違反のサービス残業がまかり通る企業社会のあり方も是正する必要があります。

大学生も、就職活動をする際には、人気企業というだけで企業選択をするのではなく、労働実態がどうなっているのかも検討したうえで、企業を選択していくことも大事だと思っています。

学校の現場でも、人事異動や給与に連動する成果主義的教員制度などが導入されたり、内部事務総合システムでパソコンに向かう時間が増えたりし、教科指導、部活動、校務分掌、生徒指導と多忙をきわめ、長時間過密労働となり、心身の健康を害する教職員が増えています。私立学校でも、36協定を結んでいる学校もありますが、きちんと時間外労働に対して賃金が払われている学校は少なく、サービス残業が横行しているのが現状です。

ノンフィクションライターの八木光恵さん(70歳)は、広告クリエーターであった43歳の夫を、バブル期に、長時間過密労働のため心臓疾患を発症し、亡くした経験を持ち、「ノーモア過労死」を胸に、労働基準法も遵守されていない労働現場に対して、国は過労死はあってはならないとして法律(「過労死防止基本法」)で規制すべきである、と主張しています(『朝日新聞』2012年3月14日付朝刊「声」欄「過労死防止基本法の制定を」)。八木さんは、文書の最後で、「人は働くために生きるにあらず、生きるために働くのだから」と書いています。
労働者の命と健康を守るために「過労死防止基本法」を制定することは早急に進める必要があります。

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