専修学校の学校評価と情報公開

3月15日の午後、東京都専修学校各種学校協会(東専各協)の主催による専修学校の評価・情報公開等交流会が主婦会館プラザエフであり、参加してきました。

この交流会は、東専各協が文部科学省の委託事業「専修学校の質保証・向上に資する取組の実態に関する調査研究」で実施した学校評価・情報公開に関するアンケート結果を報告し、専修学校の学校評価・情報公開の推進を図るために開かれたものです。

交流会では、有我明則さん(東京都専修学校各種学校協会事務局長)が「「専修学校の質保証・向上に資する取組の実態に関する調査」調査結果について」報告し、その後、有我さんがコーディネーターとなり、「専修学校における学校評価・情報公開等の課題と今後の方向性」をテーマにパネルディスカッションが行われました。パネラーは、古賀稔邦さん(日本電子専門学校長)、高橋稔さん(早稲田速記医療福祉専門学校)、茅野祐子さん(私立専門学校等評価研究機構理事長)、圓入由美さん(文部科学省専修学校教育振興室長)でした。

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有我さんの報告は、今年2月に全国の専修学校を対象に実施された調査結果を紹介したものです。
①自己評価について
・自己評価の実施・公表についは、「実施し、かつ、公表している」が17%、「実施しているが、公表していない」が46%、「実施していない」が32%。
・自己評価の公表方法については、公表している学校のうち、81%が「依頼に応じて文書や資料提供のかたちで公表している」で最も多く、「Webサイトで公表している」が37%、「説明会を実施している」が19%、「学校便り等に掲載している」が16%。
・自己評価未実施の理由としては、「要員が確保できない」が43%で最も多く、「時間がない」が37%、「実施方法がわからない」が26%、「必要性を感じない」が14%。
②学校関係者評価について
・学校関係者評価の実施・公表については、「実施し、かつ、公表している」が6%、「実施しているが、公表していない」が10%、「実施していない」が82%。
・学校関係者評価の公表方法については、公表している学校のうち、87%が「依頼に応じて文書や資料提供のかたちで公表している」で最も多く、「Webサイトで公表している」が39%、「説明会を実施している」が30%、「学校便り等に掲載している」が29%。
・学校関係者評価未実施の理由としては、「要員が確保できない」が34%で最も多く、「適当な学校関係者が確保できない」が33%、「時間がない」が28%、「実施方法がわからない」が28%。
③第三者評価について
・第三者評価の実施・公表については、「実施し、かつ、公表している」が3%、「実施しているが、公表していない」が2%、「実施していない」が93%。
・第三者評価未実施の理由としては、「実施体制が構築できない」が62%で最も多く、「要員が確保できない」が38%、「時間がない」が26%、「実施方法がわからない」が23%。
④情報の公表について(専門課程)
・情報公開については、「Webサイト等により常に提供している」が多く、次いで「入学案内・説明会において提供している」、「求めに応じて提供している」の順になっている。
・情報提供項目としては、「教育目的・教育目標」が99%で最も多く、「授業料・入学金その他専修学校が徴収する費用」が97%、「授業科目、授業の方法及び内容、年間の授業計画」が77%、「入学者の受入方針、入学者数」76%、「校地校舎・設備の状況」が75%、「学生・生徒の就学支援、進路選択、心身の健康に関する支援」が67%、「収容定員、在籍者数」が66%。 

専修学校における学校評価のうち、「自己評価」については実施・公表が義務化されていますが、今回の調査結果では、32%の学校が実施していないことが知られます。努力義務である「学校関係者評価」「第三者評価」については実施している学校が極端に少なくなっています。学校評価を実施している学校では、「次年度の学校改善の取り組みの参考になた」「改善点が明確になった」「教職員の改善への意識が喚起された」などの成果があっという調査結果となっています。
専門学校は、大学・短大と並ぶ高等教育機関としての位置づけがされているわけですから、学校評価についても質保証の観点から実施していくことが求められていると思っています。

情報公開については、、「教育目的・教育目標」、「授業料・入学金その他専修学校が徴収する費用」、「授業科目、授業の方法及び内容、年間の授業計画」、「入学者の受入方針、入学者数」、「校地校舎・設備の状況」、「収容定員、在籍者数」など、専門学校のPRに関する情報発信は高い公表率になっています。ただ、「入学者の受入方針、入学者数」と「収容定員、在籍者数」については公表率が66%以上と高くなっていますが、実態は「入学者の受入方針」と「収容定員」の部分の公表であり、「入学数」「在籍者数」については公表している学校は少ないと考えられます。
一方、「卒業者及び修了者数、就職者数及び状況、進学者数及び状況」の公表は33%、「財務状況」は14%、「学校評価の実施状況」は13%など、専門学校の質保証に関わる公表率は低い傾向にあります。
これまで専門学校は、学生募集のための宣伝、広報には積極的でしたが、入学者数や退学者数、卒業率、就職率(正規雇用就職者数÷卒業者数)、国家試験の合格率、財務諸表などの公開には消極的でした。これからは、こうした質保証に関わるデータについても積極的に公表していくことが求められています。

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