大卒2割、進路未定

朝日新聞社と河合塾が全国の大学を対象に実施した「ひらく 日本の大学」調査で、今年3月に卒業した学生のうち、5人に1人が進学や就職などの進路が決まらないまま卒業していたことがわかり、『朝日新聞』7月3日付朝刊で報じられました。

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『朝日新聞』7月3日付朝刊

調査結果によると、全国の国公私立大学759校のうち558大学から回答があり(回収率74%)、卒業者のうち、就職者は62.2%、大学院などへの進学者は16.1%。就職・進学以外と、アルバイトなど「一時的な仕事」に就いた者、「不詳など」を合計した卒業生は20.8%でした。
学部系統別では、進路未定者の割合が高いのは「芸術・スポーツ科学」(36.5%)、「法・政治」(27.7%)、「分・人文」(26.2%)、「経済・経営・商」(25.2%)など、一方低いのは「医」(6.7%)、「保健」(8.7%)、「薬」(9.8%)、「工」(10.6%)などで、理系学部が文系学部に比べて就職などに有利な傾向が浮かび上がっています。

文部科学省は7月1日、今春卒業した大学生の就職内定率を91.0%と、「就職氷河期」と呼ばれた2000万円年春を下回り、過去最低であったことを発表しました。この就職内定率は「就職希望者」を母数にしたもので、今回の調査結果を当てはめてみると、卒業者数55万5000人に対し、就職者は34万5000人、進路未定者は11万5000人となります。昨年度は、読売新聞社の「大学の実力」調査からは就職留年が7万9000人いたと推計されています(『読売新聞』2010年7月6日付朝刊)。同様の状況が今年度にも現出しているのではないかと思われます。

戦後日本型循環モデルが破綻し、日本的雇用慣行の再編にともなう雇用の流動化と柔軟化進行している中で、「新規学卒一括採用」も崩れつつあります。そうした中での就職難をどのように改善を図っていくのが望ましいのかを議論する必要があります。一方、大学は、「大学全入時代」の中で、AO・推薦入試で学生を確保する大学も少なくなく、今回の「ひらく 日本の大学」調査でも、一般入試による入学者が3割未満の大学が私立大学の35%を占めており、基礎学力を身につけていない学生も多く進学している現状がみてとれ、高大接続のあり方が問われています。
高校から大学への接続のあり方、大学から社会への移行のあり方をどのようにしていくのか、改めて見直すことが求められています。

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