脱原発宣言

信用金庫の最大手である城南信用金庫がホームページで「原発に頼らない安心できる社会へ」と題する脱原発の宣言を掲載しています。

「東京電力福島第一原子力発電所の事故は、我が国の未来に重大な影響を与えています。今回の事故を通じて、原子力エネルギーは、私達に明るい未来を与えてくれるものではなく、一歩間違えば取り返しのつかない危険性を持っていること、さらに、残念ながらそれを管理する政府機関も企業体も、万全の体制をとっていなかったことが明確になりつつあります。
こうした中で、私達は、原子力エネルギーに依存することはあまりにも危険性が大き過ぎるということを学びました。私達が地域金融機関として、今できることはささやかではありますが、省電力、省エネルギー、そして代替エネルギーの開発利用に少しでも貢献することではないかと考えます。
そのため、今後、私達は以下のような省電力と省エネルギーのための様々な取組みに努めるとともに、金融を通じて地域の皆様の省電力、省エネルギーのための設備投資を積極的に支援、推進してまいります。
① 徹底した節電運動の実施
② 冷暖房の設定温度の見直し
③ 省電力型設備の導入
④ 断熱工事の施工
⑤ 緑化工事の推進
⑥ ソーラーパネルの設置
⑦ LED照明への切り替え
⑧ 燃料電池の導入
⑨ 家庭用蓄電池の購入
⑩ 自家発電装置の購入
⑪ その他」

その城南信用金庫の理事長である吉原毅さんが、『朝日新聞』6月29日付朝刊で記者のインタビューに答えています。
経済界では、日本経団連の米倉弘昌会長がいち早く原発推進を表明、28日の東京電力の株主総会でも大株主である銀行や生命保険会社は脱原発の提案を否決する側にまわりました。
そうした状況の中で、「原子力エネルギーは、私達に明るい未来を与えてくれるものではない」という社会的メッセージを打ち出したのは、大変勇気のいることだったと思います。

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吉原毅さん(『朝日新聞』6月29日付朝刊より)

インタビューの中で、脱原発宣言には時流に乗った側面はなかったのかという記者の質問に対して、「いえ、逆に不安のほうが強かった。あちこちから『よけいなことをするな』とたたかれたらどうしよう、と。経済界のほとんどが原発問題について沈黙するなかで、社会的なメッセージを打ち出すのは優貴が必要でした」と答えています。
脱原発によるエネルギー不足や経済活動への影響については、「原発がなくても十分間に合うのでは。まず停止中の火力発電所や水力発電所をフル稼働させる。天然ガス発電や地熱発電にも大急ぎで取り組む。一方で、節電は『最大の電力源』ですから一般家庭はライフスタイルを見直し、、企業は省電力化に努める」と答えています。
脱原発だと電気料金が上がり、経済活動にも影響があるのでは、という質問に対しては、「適正に計算し直すと、げんぱつのコストは高い。地域への交付金や放射性廃棄物処理、事故対策などの費用に加え、事故があったときの補償費も、私たち金融機関からみると『経常費用』として計算に入れなければなりません。純民間ベースなら原発事業に融資する銀行は一つもないはずです」「原発廃止の費用を除いて代替エネルギー導入のコストを計算すれば、電気料金はそれほど上がらずに済むかもしれない。70年代の石油ショックを受けて、省エネ技術の開発が進みました。努力もしないで、原発はなくせないと言い張るのはおかしな話です。これほど致命的な事故の可能性があるものに、なぜ依存しなければならないのでしょう?」と、原発依存に対しては疑問を投げかけています。

政府や電力会社が「原発はコストが安い」と一生懸命宣伝してきましたが、それはウソだということは小出裕章さんの『原発のウソ』(扶桑社新書)でも指摘されています。
「原発の安全神話」が崩壊し、放射性廃棄物という「核のゴミ」は誰も管理ができない現状の中で、これ以上原発を運転させ、「核のゴミ」を増やしていくことは問題です。

吉原さんは動画サイトで「地道に行動に移していこう」と訴えていますが、「原発に頼らない安心できる社会」を1人ひとりの努力と協力でつくっていくことが求められていると考えています。

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