3・11大震災と福島原発事故

4月16日の午後、変革のアソシエ、たんぽぽ舎共催による緊急シンポジウム「今、日本で何が起こっているか-3・11大震災と福島原発事故を考える」があるのを知り、参加してきました。

プログラムは、次の通りでした。
1.被災地からの報告
 ・仙台の被災地から  半田正樹(東北学院大学教授)
 ・支援物資をいわき市に運んで  三上 治(東日本大震災緊急支援市民会議)
2.基調報告 
 ・「日本資本主義を襲う二重の激震」  伊藤 誠(変換のアソシエ共同代表、東京大学名誉教授)
3.現場で起こっていること・みえること
 ・迫りくる放射線のもとで野菜百姓として考えたこと  石井恒司(成田・農民)
 ・解雇・失業に直面する不安定労働者とその闘い 加藤(三多摩自由労組委員長)ほか
4.現場からの提言:大震災と福島原発事故をどうとらえるか
 ・原発事故をどうとらえるか  山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)
 ・建設・運輸労働者が震災復興のあり方に提言する  高 英男(関西生コン支部副委員長)、増田幸伸(近畿生コン関連協同組合連合会専務理事)

半田正樹さんの報告は、あまり言及されていないこととして、〈寒さ〉〈被災格差〉〈東北〉の3つをあげていました。
〈寒さ〉は、ライフラインを破壊された中で氷点下の寒さに襲われ、とくに避難所で寒さがものすごくこたえた。〈被災格差〉は、ある程度資産のある人は耐震・免震構造のマンションに住み無傷であったが、耐震・免震構造でない古いアパートに住む高齢者などは被害を受けた。〈東北〉は、近代日本では「賊軍」であった東北は食料(農産物・水産物)・労働力の供給基地として位置づけられてきた。その延長線上に原発があり、東京から遠く離れた地域だから構わないという発想があったのではないか。
そのうえで半田さんは、これまでの東北の位置づけではない、新しい社会経済の位置づけを構想して復興を考える必要があるとし、「静かなる革命」の必要性を提起されました。

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半田正樹さん

伊藤誠さんの基調報告は、日本資本主義はサブプライム世界恐慌のあと東日本大震災と連続して2つの激震に見舞われたとし、これからの社会は、共同性が求められ、人々が集まってコミューン(地域社会)をつくっていく、連帯の精神による人々の支援、土地とのつながり、外からの支援、それを自覚的につなげていくことが大事になっていること、脱原発の機運を民衆的メディアが高め、脱原発の未来社会を切り開いていかなければならないことを提起されました。

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伊藤誠さん

山崎久隆さんは、福島第一原発事故の現状を報告され、(1)地震による外部電源、津波による非常用ディーゼルの水没により、電源を喪失し、原子炉の冷却装置が機能しなくなったこと、(2)原子炉を冷却するために海水を注入したが、蒸発すれば塩がつき、岩塩状になってバルブなどに固着し、冷却能力を損なう危険性があること、(3)問題はこれからで、圧力容器の中で冷却されず発熱され続け、使用済み燃料が高温によって水素爆発を起こし、格納容器を壊す可能性があること、2号機は格納容器が損傷し放射能を放出している、1号機は圧力容器が小さいので破壊されやすいこと、(4)4つの原子炉全てが破壊されれば、チェルノブイリの2倍の放射能になり、20~30Km以内は20~30年は住めなくなること、(5)大量の放射能汚染水の処理は、世界の使用済み燃料船を集める(3万トン入る)、高レベル再処理工場のAラインを移設してプラントを建てて処理をするしかないこと、(6)防災科学技術研究所の論文によれば、福島原発に近い地域、柏崎刈羽原発に近い長野県境村付近は近くのひずみの集中地帯になっていること、富士山・大島・三宅島では火山性微動が活発になっており、浜岡原発に影響を及ぼすこと、いかに原発震災を止めるかが問われていること、などを指摘されました。

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山崎久隆さん

シンポジウム全体を通して、私たちが現在、歴史の大きな転換点に立っていること、これまでつられてきた社会・経済・生活・科学技術・都市のあり方など全てが破壊されれば根本から見直しを迫られていること、とくに脱原発を契機にどのような新しい社会をつくっていくのかが問われていることを認識できた4時間でした。

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