短期大学をめぐる進路指導研究会

進路情報ネットワークの主催による短期大学をテーマにした進路指導研究会が日本教育会館会議室であり、参加してきました。

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プログラムは、三池すみれ氏(進路情報ネットワーク)の基調報告、それを受けての秋草誠氏(秋草学園短大)、高野敏樹氏(上智短大)江崎和夫氏(自由が丘産能短大)の4氏によるパネルディスカッション、参加の高校教員との質疑応答、でした。

三池氏は、志願者が年々減少し、2010年の短大進学率は11.0%になっていること、新卒就職内定率も2009年10月時点では大学の62.9%に対して短大は29.0%に過ぎないことを指摘し、短大の就職状況と指導のあり方について疑問を投げかけ、そのうえで、基礎学力のないというだけで潜在的能力を秘めた生徒や自信の持てない生徒に対して、希望や機会を与える教育機関としての「日本版コミュニティ・カレッジ」の可能性について言及され、最後に、短大を大きく「プロフェッショナル・スクール」(保育・栄養・看護など専門職業人の養成に力を入れている)、「ビジネス・スクール」(一般企業就職を視野に入れ、就職活動を勝ち抜く能力の養成やキャリア教育に力を入れている)、「プレ・スクール」(4年生大が編入や留学を視野に入れ、編入試験に通用する基礎学力と専門教養の定着に力を入れている)の3つに分類し、その強みとともに懸念される点を指摘されました。

高野氏は、卒業生の約半数が大学編入をし、毎年100名を超え、系列の上智大には24名が編入し、現役では入学が難しい大学に行ける学力を2年間で身につけさせていること、短大の10月時点での就職内定率が低いのは、短大の就活のスタートが遅いことをあげていました。
秋草氏も、幼保は10月以降に就活が始まること、短大の場合は企業とのつながりで求人が来ること、学生と関わる時間が長くきめ細かな教育ができ、そこに短大の魅力があることを指摘されました。
江崎氏は、4大生と一緒に就活できるように、また幅広い分野に就職できるようにキャリア教育に力を入れて、2年間で就職力をつけさせていること、教員が1人ひとりをみている面倒見の良さが大学とは違うことを話されました。

短大が大学と専門学校との間に挟まれ、その存在意義が問われている中で、どこに活路を見いだすのかは、短大にとって大きな問題になっています。
上智短大の高野氏は、いろいろな教育プロセスの第1ステップとして自分のやりたい夢を見いだしていくファースト・ステップ論でやっていきたい、と語られていましたが、いわゆる「ファースト・ステージ」論(館昭氏)は短大の1つの方向を示すものとなっています。
高校時代の学力が十分ではなかった生徒が短大から難関大学に編入していく道があることは、大学全入時代の中ではもっと注目されてよいと思っています。
また、地域総合科学科のように、いつかの系列と数多くの選択科目を用意して、短大卒業後の進路をデザインさせることも、短大の生き残る重要な視点だと思っています。

今後、さらに短大の問題をさまざまな角度から検討する機会がもてるとありがたいと感じました。

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