キャリア教育アワード

3月8日の午後、第1回キャリア教育アワードが東京・千駄ヶ谷の津田ホールで開かれたので、参加してきました。

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「キャリア教育アワード」は、経済産業省が、これからの社会を支える子どもたちに対する社会的投資として、産業界によるキャリア教育への参画活動を促進する観点から、企業等における教育活動の先進的な取り組みを表彰し、こうした企業活動を広く社会で共有することを目的として創設したもので、その第1回表彰式が行われました。

エントリーのあった70社77事例の中から優秀賞に選ばれた6社のプレゼンテーションがあり、最優秀賞の審査の間、トークリレー「これからの『教育』のはなしをしよう」がありました。

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優秀賞受賞事例プレゼンテーション

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トークリレー

最優秀賞に選ばれたのはパナソニックの「社会科・環境学習プログラム『エコ・モノ語(がたり)』でした。
受賞事例プレゼンテーションでは、小学校5年生の社会科の単元「工業生産を支える人たち」に連動させて5時間のプログラムで、生活に身近な家電製品をテーマに、モノづくりを支える人々の役割や、環境への努力、工夫について体系的に学ぶことを目的とし、5時間のうち4時間は教員が担当し、1時間(4時間目)はパナソニックの社員が講師となり、モノづくりを支える人々のエコアイディアの授業をするものでした。
2010年度には小学校285校(うち出前授業型141校、教材活用型144校)で実施されたということです。

6事例のプレゼンテーションに共通していたのは、体験型の授業を通して子どもたちが刺激を受け学ぶとともに、講師となった社員も新しい気づきや成長つながっているということでした。

ただ、こうした企業のプログラムを、学校側が全体のキャリア教育のプログラムの中にきちんと位置づけて実施しているのか、学校側の発表がないためにわからなかったこと、また、学びの主体である子どもたちが授業をどのように理解し、成長につながっていったのか、アンケート結果を紹介したものが少なかったので、どう評価すべきか不明な点もありました。

経済産業省は、学校と企業の橋渡しをするキャリア教育コーディネーターの育成を支援し、「キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会」が設立さました。

経済産業省の立場からは、「社会人基礎力」の育成の観点から、企業等のキャリア教育支援プログラムの普及を図る意味合いを持っているものと考えられます。

学校が主体性を持ったうえで、企業等と連携することは大切なことです。
職場体験やインターンシップだけでなく、エントリーされた77事例のプログラムなども活用するかたちで連携することは、学校だけではできないことを連携することによって取り組むことが出来るメリットがあります。
しかし、現代日本の企業の労働実態を理解できるようなプログラム、すなわち企業が従業員=労働者をどのように処遇し、働かせているのか、正規雇用と非正規雇用という働き方の違いで処遇にどのような違いがあるのか、ワーク・ライフ・バランスの取り組みはどうなっているのか、といったことを学ぶプログラムは、エントリーされた77事例にはありません。
企業の事業活動に関わることだけでなく、その企業で働く社員の労働実態に関わることも、子どもたちの学ぶ場になる必要があります。ここに経済産業省が主導するキャリア教育の限界があるように感じました。

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