多摩の生物多様性シンポジウム

11月5日の午後、(財)東京市町村自治調査会主催による「多摩の生物多様性シンポジウム」が武蔵野公会堂て開かれ、参加してきました。

10月に名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催され、名古屋議定書と愛知ターゲットを採択して閉幕しましたが、それを受けて地球規模で生物多様性の保全が問題になっている現在、私たちは地域の中で何ができるのかを考える場として設定されたのが、このシンポジウムです。

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プログラムは、前半が小島敏郎さん(青山学院大学)の「COP10と生物多様性」と題するプレゼンテーション、相田幸一さん(なな山緑地の会)「多摩里山を守る活動」と田中利秋さん(井の頭かんさつ会)「井の頭公園の過去、現在、そして未来」の2本の活動事例発表、大橋マキさん(アロマセラピスト)と末吉里花さん(フリーアナウンサー)による対談「生物多様性のために私ができること」で、後半は井の頭公園での自然観察会でした。

小島敏郎さんのプレゼンテーションは、生物多様性条約、生物多様性の3つの多様性、生物多様性のめぐみ(生態系サービス)などについて概要説明があり、次いで日本の生物多様性の危機と地球温暖化による危機について説明があり、特に生物多様性の3つの危機として、(1)人間活動による生態系の破壊、種の減少・絶滅、(2)人間の働きかけの減少による影響、(3)外来生物などによる生態系のかく乱、を指摘されました。そして名古屋市で開催されたCOP10の主な成果である名古屋議定書と愛知ターゲットについて説明され、最後に、日本の課題として、国内の生物多様性保全に政府はどのくらい資金を投入するのか、日本はどのような生物多様性保全の政策措置を講ずるのか、を指摘し、住民の自立した保全運動が求められていることを述べたものでした。

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相田幸一さんの活動事例発表は、多摩市の里山である「なな山緑地」を整備し守る活動を紹介したもので、具体的には、散策の道づくり、希少植物の保護、下草刈り、くず掃き(落ち葉掃き)、畑づくり、自然観察会の開催、会報の発行などの活動をしていること、課題として、若い人を増やすこと、活動資金を獲得することをあげていました。
田中利秋さんは、井の頭池について、地下水が下がり池の水が減っていること、エサやりのために5種類のカモがたくさん来るようになったこと、オオクチバスとブルーギルなど外来種の魚が繁殖したためカイツブリのエサが減り繁殖がみられなくなったことなどの現状を指摘し、会の活動として、井の頭池周辺の自然の観察、観察会の開催、エサやり自粛のキャンペーン、外来種問題の調査と啓発を行っていることを紹介されました。

大橋マキさんは、葉山の自宅周辺は山と海の自然に恵まれ、季節の到来を食材で知る生活をしていること、ラベンダーなどを栽培し、植物の芳香成分をガラス器に入れているので、アロマの機会が減っていること、カラスウリもホワイトリカーに入れておくと保湿効果があり、しもやけなどのときに利用していることなどの例を紹介され、身近な自然の中でふれあい楽しむことが環境の保全につながっていることを話されました。そして現在、アロマの地産地消を始めているとし、山口県萩市で特産物の夏みかんをもとに萩の香りをつくって町おこしを行っていることなどを紹介され、地元の人々がそれぞれの地域の自然を愛好し、何か取り組みをする中で生物多様性の保全をしてもらえれば、と話されました。

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自然観察会は日本自然保護協会の方々などが指導員となり、グループごとに井の頭公園を歩きながら、動植物の説明を受け、生物多様性について理解を深め、100年後の井の頭公園のあるべき姿を考えようというものでした。
指導員の小口さんは、井の頭池に関わって魚、木、ドングリ、昆虫、鳥と生物多様性があることをふまえながら、公園内の樹木である、ケヤキ、桜、ムク、クスノキ、イロハモミジなどを解説、ジョロウグモを見つけると、その生態について解説され、また、今年は猛暑の影響で赤とんぼ、カマキリがいないことなどを話されました。七井橋の上からはカモの種類や井の頭池での変遷について説明されました。

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井の頭公園は家からも近いので何度も来ていますが、樹木や鳥について詳しく説明を受けたことはなかったので、改めて井の頭公園の自然の豊かさとともに、問題点も理解することができ、このシンポジウムに参加する機会を
えて、よかったと思っています。

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