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zoom RSS シンポジウム「教職員の働き方を考える」

<<   作成日時 : 2017/07/29 20:44   >>

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教職員の働き方改革推進プロジェクト・(一社)社会応援ネットワーク共催のシンポジウム2017「教職員の働き方を考える−学校にも働き方改革の風を−」が7月25日、プレスセンターホールで開かれ、参加をしてきました。

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政府は、電通社員の過労自殺事件を機に「過労死」「働き過ぎ」問題に対する世論の高まりを受けて、昨年9月に「働き方改革実現会議」を設置し、不十分ながらも、民間労働者には罰則付きの労働時間外労働の上限規制を設ける方向性を打ち出しましたが、長時間労働が常態化している公立学校の教員は上限規制の例外とされました。
「働き方改革」の議論と前後して文部科学省が公表した「教員勤務実態調査(2016年度)」(2017年4月)によれば、残業時間の過労死ライン(月80時間以上)である週60時間以上働く公立学校の教員の割合は、小学校で33.5%、中学校で57.7%と、民間企業と比較しても高くなっています。また、新学習指導要領、小学校における外国語活動の導入、小・中学校の道徳の教科化への対応など、今後も教員の負担は増す一方であることが予想されます。
こうした教職員の超多忙かが今のまま続けば、教育の質に与える影響も無視できません。中教審において「学校における働き方改革」に関する総合的な方策に向けた検討が始まったのも、そのことと無関係ではありません。
こうした中でシンポジウムが開かれることを知り、参加しました。

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シンポジウムのプログラムは、次の通りでした。 
第一部 基調報告
樋口 修資(教職員の働き方改革推進プロジェクト呼びかけ人代表、明星大学教授)
   「教員の多忙化の現状と課題について」
第二部 パネルディスカッション
ファシリテーター 樋口 修資
パネリスト 神津 里季生(日本労働組合総連合会会長)
尾木 直樹(法政大学特任教授)
工藤 祥子(全国過労死を考える家族の会校務労災担当、神奈川過労死等を考える家族の会代表)
馳 浩(衆議院議員、前文部科学大臣)

樋口修資さんの基調報告は、(1)文部科学省の「教員勤務実態調査」や連合総研「教職員の働き方と労働時間の実態に関する調査などの調査結果をもとに、公立学校教職員の長時間労働の実態を明らかにし、連合総研調査では、小学校では55.1%、中学校では79.8%、高校では46.4%が過労死基準といわれる月100時間以上働いていること、(2)法定労働時間を越える時間外労働や休日労働は、時間調整(代替休暇)によることとし、働き方改革としての「ワーク・ライフ・バランス」を実現しようとする「調整休暇制度」について、連合総研調査では半数以上の教員が賛成しており、検討する必要があること、(3)「チーム学校」の実現による教職員等の役割分担の転換について、イギリスでは「教員が日常的にしなくても良い管理的/事務的業務」を定めていることを参考に、教員の本来的業務を明確にし、負担軽減を検討する必要があること、(4)「公立の義務教育書学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)の超勤4項目以外の業務が膨大化し、教員のいっそうの多忙化を生み出していることから、給特法の再検討をすべきこと、など、教員の超多忙化の実態を明らかにするとともに、その解決のための検討課題を提起したものでした。

パネルディスカッションは、はじめに4人のパネリストからの発言があり、その後、樋口さんからの質問や会場からの質問にパネリストが答えるかたちで進められました。

神津里季生さんは、政府の「働き方改革実現会議」の委員として参画したが、長時間労働の是正では、罰則付き時間外労働の上限規制が合意された意義は大きいとし、インターバル規制は努力義務、パワハラ対策も検討することになったことをあげました。

尾木直樹さんは、公立中学校の教師になったとき、超勤簿を作り、組合の分会長と教頭が管理し、超勤相殺簿で超勤した分を夏休み等に相殺したことがあること、1980年代は学年主任等で退勤が一番遅くなったが、子どもの面倒を見ると心がつなのがり、教員としての喜びになり、やればやるだけのことがあったが、いまの超過勤務はその質が違うのではないか、と語り、日本の未来を考えたら教育費を投資と考え、教員の数を増やす必要があることを説きました。

工藤祥子さんは、公立中学校教員の夫が2007年に40歳の若さで過労死した経緯を説明し、長時間労働が増えており、教員が余裕を持たないといい教育はできないし、余裕を持たないと過労死してしまうとし、「聖職者」の前に「労働者」であると考えないといけない、と語りました。

馳浩さんは、自民党の「次世代の学校指導体制実現部会」が「教師の長時間勤務の是正に向けた緊急提言」の内容、すなわち、ICT等を活用した厳格な勤務時間管理や業務の効率化、チーム学校の実現、教職員定数の拡充、特給法の見直しなどを紹介しました。

樋口さんやフロアからの質問に対する応答には次のようなものがありました。

教員の多忙化の原因について、尾木さんは、教員の授業時数が多く、それに対する教員増が不十分であること、教師は教師聖職論になりがちで、やりがいがあって、自主的・自発的にはまっていく、そして国や自治体はそれに甘えていること、また、シングルマザーなど保護者の働き方も酷くなっており、教員もなかなか声が上げづらく、連帯できていないことをあげました。馳さんも授業コマ数の上限規制が必要なことを指摘しました。

教員の本来的業務とは何かについて、馳さんは、授業、クラス担任、校務分掌をあげ、尾木さんは、学習指導、生徒指導、保護者会とそれに関連するものとし、部活動はブラック化し、異常な状態になっていることを指摘しました。

部活動について、工藤さんは、部活顧問をやらない自由がない、やり過ぎはダメでもっと適正化が必要と訴え、馳さんは、中体連・高体連の硬直した運営方針が弊害となっており、学校教育と総合的地域スポーツ・文化クラブとの連携を考える必要があることを指考えて教員の持ち時間数の軽減を摘しました。

多忙化問題どう取り組むべきかについて、尾木さんは、教育の質を考え、教員の持ち授業時間数を軽減し教員数を増やすこと、1クラスの生徒数の減少に取り組むべきことをあげ、工藤さんは、部活動による多忙化を指摘し、顧問の強制や保護者の要求など部活動のあり方を問題にしました。

出退勤管理の問題について、神津さんは、校長は教員は労働基準法の適用外という認識があり、社会の一員としてきちんとやらないといけないとし、馳さんは「調整休暇制度」はいいことで検討すべきだとし、工藤さんは、出勤簿でしか管理しておらず、全国統一で出退勤管理をやらせなくてはいけないと主張しました。

非常勤教員が増加していることについても、樋口さんは、スクールカウンセラー、外部指導員等も非常勤であり、「チーム学校」は機能するのか、と問題視し、尾木さんは、校務分掌をかけ持ちするなど、専任教員の負担が大きくなり、子どもの学力向上と生活の安定を考えても問題があると指摘、馳さんは、部活の外部指導員の導入は教員の負担軽減になるのでは、と述べました。

特給法をどうするのかについては、馳さんは、一律4%の調整額は見直すべきだが、業務の精選やどこにメリハリをつけるかの組み合わせが必要であり、法律の内容を見直す必要があるとし、尾木さんは、自分の働いた時間をチェックできるようにし、調整休暇制度をシステムとして保障すべきだと主張、神津さんは、過労死・過労自殺が2日に1人となっている現状から、日教組と検討して取り組んでいきたいと述べました。


シンポジウムでは、教員の多忙化の実態から、それを生み出している原因、解決策まで、さまざまな角度から議論がなされました。これを契機に、教員の働き方について議論を深め、改革を進めていく必要があることが改めて確認されたシンポジウムでした。

樋口さんも指摘されたように、公立学校の教員は働き方改革の除外になっていますが、少なくとも時間外労働の上限規制を行うべきです。そして、(1)タイムカードなどにより、出退勤の時間管理を行うとともに、(2)時間外労働に対する調整休暇制度を制度化し、未消化の部分は買取制にするなど、特給法を抜本的に見直すこと、(3)教員の本来業務の定め、教員増を進めること、(4)中学校・高校教員の多忙化の大きな要因の1つとなっている部活動指導のあり方を検討すること、などを早急に行う必要がると、考えています。

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