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zoom RSS 哲学者・三木清の獄死

<<   作成日時 : 2017/04/13 23:30   >>

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『朝日新聞』2017年4月12日付夕刊の「あのとき それから」は「哲学者・三木清の獄死」を取りあげ、「治安維持法の目的遂行罪による解釈の拡大がなければ、三木清は獄死することはなかった」(荻野富士夫・小樽商科大学特任教授)とし、現在、国会審議が始まろうとしている「共謀罪」も、治安維持法のように拡大解釈され、一般市民も逮捕される危険性を指摘しています。

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『朝日新聞』2017年4月12日付夕刊

「人生論ノート」などで知られる哲学者の三木清が逮捕されたのは、京都大学時代から親しくしていた作家の高倉テルが、1944年11月に、東京・八王子郊外にあった久保田無線厚生農場の耕地整理の相談を受けたことがソ連の農業経営(コルホーズ)であるとでっち上げられ、治安維持法違反で検挙され、翌45年3月に留置されていた警視庁から脱走、三木の疎開先である埼玉県の家を訪ねてきた高倉をかくまったことが原因となっています。

哲学者の古在由重は、三木清について、「かれの人がらはヒューマニストという、きわめて情の深い人でした。思想的には「東亜共同体」というような奇妙な哲学理論をつくりあげたりしていながらも、自分の囲碁の友人であるタカクラ・テルをかくまい、そのためにつかまって獄死したというような人だった。逃走中のタカクラ・テルを危険をおかして暖かくむかえ、一晩碁をうって、洋服をやってから逃がすというような人だったのですね。かれの魂の底にそんな熱いヒューマニズムが脈々と流れていた」(太田哲男編『暗き時代の抵抗者たち 対談古在由重・丸山真男』同時代社、2001年)。

共産党員でもない三木清が検挙された背景には、非人間的なことを批判し、ヒューマニズムを貫いたところがあります。

治安維持法の目的遂行罪は、1928年の「改正」で、最高刑を死刑に引き上げるのとともに導入されたもので、潜伏の手助けや寒波、出版物の配布の援助などが対象とされ、行為が目的遂行罪に該当するかどうかは、本人の意図の有無ではなく、特高警察や思想検事の判断でした。
共謀罪も、「共謀」かどうかを判断するのは警察です。現在でも、さまざまなかたちで共産党員や市民活動家などを監視し、沖縄の山城博治さんが些細なことで検挙され長期に留置されるなど、警察による恣意的な検挙や監視が行われています。共謀罪が作られれば、警察は日常的に一般市民を監視し、市民が自由に発言・行動ができない社会になりかねません。そして恣意的に「共謀罪」に仕立て上げられ、逮捕されかねません。
荻野さんは、「治安維持法を歴史的事項にとどめるのではなく、現代への教訓と考え、人権を脅かす法には声を上げ続けるしかない」と語っていますが(朝日新聞、同上記事)、治安維持法を歴史的教訓にして、共謀罪法案の制定を許してはならず、再び三木清のような死を招くようなことがないようにしていかなくてはならないと思っています。

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