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zoom RSS 教員の長時間労働深刻化−文科省調査

<<   作成日時 : 2017/04/30 08:45   >>

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文部科学省は4月28日、公立小中学校の教員勤務実態調査の結果を公表しました。調査は、2016年10月から11月に実施されたもので、その結果によると、小学校教諭は平均で平日1日あたり11時間15分(2006年度比43分増)、中学校教諭は同11時間32分(同32分増)働いており、教員の勤務時間が10年前と比べて増えていたことが分かりました。

労災認定基準に使われている時間外労働の「過労死ライン」は、1か月100時間または2〜6か月の月平均80時間とされていますが、今回の結果をあてはめると、小学校教諭の17%と中学校教諭の41%が100時間、小学校の34%と中学校の58%が80時間の基準に触れています。

管理職の勤務時間も増えており、小中学校ともに平日の勤務が最も長いのは副校長・教頭で、小学校は12時間12分(06年度比49分増)、中学校は12時間6分(同21分増)にのぼっています。

文科省は「脱ゆとり」にかじを切った2008年の学習指導要領の改訂で小中学校の授業時間を増やしました。その一方で、成績処理や学級経営などの時間は減っておらず、結果的に総勤務時間は膨らんでいます。
特に注が付こうでは、土日の部活動の指導時間が1日あたり130分で、10年前から倍増しています。

松野博一文科相は28日の会見で、「看過できない深刻な事態が裏付けられた」と述べ、中央教育審議会で教員の働き方改革の議論を本格化させていきたい考えを明らかにしました。(『朝日新聞』2017年4月28日夕刊、29日朝刊)

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『朝日新聞』2017年4月29日朝刊

日本の教員の長時間労働は以前から問題にされてきました。2014年に発表されたOECD(経済協力開発機構)の調査では、中学校の仕事時間が1週あたり53.9時間で参加34か国(参加国平均は38.3時間)中で最長でした。
また、連合総研の調査では、小学校で月80時間超の残業が17.8%、100時間超が55.1%、中学校では月80時間超が7.1%、100時間超が79.8%となっており、学校現場の過酷な勤務状況が明らかになっています。

多くの教員が過労死ライン100時間を超える状況にあるにもかかわらず、残業時間数の上限は設けられていません。その理由は、「給特法」(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)などの法律により、教員には、給与月額の4%分の「教職調整額」が支払われる代わりに、残業代は支払われず、法律上は定時に仕事は終わっているのであり(給特法第1条では、臨時または緊急の業務を除き、「原則として時間外勤務を命じないものとすること」が明記されている)、定時以降に残っているとすれば、それは自発的に残っていることになっているからです。したがって、勤務時間に上限を設けるという発想自体が、法律と矛盾してしまうのです。(内田良「教員の出退勤9割把握されず 労務管理なき長時間労働」、https://news.yahoo.co.jp/byline/ryouchida/20170423-00070210/
それゆえ、学校現場では、連合総研の調査が明らかにしているように、出退勤の時刻を「タイムカード・PC等の機器」で把握しているのは10%(小学校10%、中学校11%)にすぎず、大半は「出勤簿への捺印」であり、出退勤の時刻はまったく分からないのが実態です。
内田良さん(名古屋大学准教授)が指摘するように、一般企業であれば、出退勤時間を把握していなかったら、大問題になるにもかかわらず、学校現場では、出勤・退勤の時刻という労務管理の基本中の基本の情報でさえ、ほとんど把握されていない、労務管理なき長時間労働のもとに教員は置かれているのです。

私が在職していた高校でも、授業を終えて後も、先生方は生活指導や進路指導、部活動の指導などで19時、20時まで仕事をしていました。私立でしたので、36協定で時間外労働は認められていましたが、勤務時間後の仕事に対して時間外手当は付かず、わずかに職員会議が長引いたときにのみ手当が払われたに過ぎません。
出退勤の時刻は把握されておらず、職員室に置かれた出勤簿に捺印するだけでした。

私が教員になった1970年代後半は、都立高校でも週1日の研修日がありましたが、私の高校でもありました。また、夏休みなどの長期休業中も、補講習や部活動などの指導がないときは比較的自由に休暇が取れました。私も、研修日や長期休業中には、教材研究や自分の研究の史料収集のために地方に出かけたり、旅行で見聞を広めたりすることができました。
しかし現在は、研修日もなくなり、長期休業中も教員は勤務日となりました。普段は仕事で時間的に余裕がなく、長期休業中も、普段は取れない代休の振り替えなどで休暇が取れるとはいえ、補講習や部活動などの指導があれば、なかなか休めないのが実態です。

教員にゆとりがなければ、教材研究も、授業への工夫もできず、肝心の子どもの教育も充実したものになりません。
文科省が教員の働き方改革に本気で取り組むのであれば、業務改善にとどまらず、正規雇用の教員数を増やすこと、部活動など仕事の範囲を見直すこと、そして給特法の改正を行い、残業時間の上限規制を設けること、などの政策を早急に進めることが必要だと考えています。


*「教職員の時間外労働にも上限規制を設けてください!!」のキャンペーンに賛同しました。
 https://www.change.org/p/%E6%95%99%E8%81%B7%E5%93%A1%E3%81%AE%E6%99%82%E9%96%93%E5%A4%96%E5%8A%B4%E5%83%8D%E3%81%AB%E3%82%82%E4%B8%8A%E9%99%90%E8%A6%8F%E5%88%B6%E3%82%92%E8%A8%AD%E3%81%91%E3%81%A6%E4%B8%8B%E3%81%95%E3%81%84?recruiter=122911200&utm_source=share_petition&utm_medium=copylink

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