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<<   作成日時 : 2015/03/14 21:20   >>

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日本私立大学協会による平成26年度広報担当者協議会が3月9日、大阪ガーデンパレスで開かれ、講師として招かれ、出席してきました。

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協議会のプログラムは、次の通りでした。
1.事例発表:大学の広報戦略・大学ポートレート
 ・名城大学「若手主導による大学イメージ戦略」 本山 慶樹氏
 ・松本大学「松本大学における広報戦略」 中村 文重氏
 ・日本私立学校振興・共催事業団「大学ポートレートによる教育情報の公開」 清水 真氏
2.討議:高校の進路担当者からみた大学広報
 ・山野 晴雄(元・桜華女学院高校)
 ・賀来 哲三氏(奈良県立桜井高校)
3.グループ討議  1テーマをグループ(6名程度)で討議

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事例発表では、中村氏による松本大学の広報戦略の事例発表が示唆に富み、興味深く聴くことができました。中村氏の発表は、@大学開学以来、大手の進学情報誌を主体に広告を出し、高校や会場での説明会・相談会に参加、長野県を中心に県外へも高校訪問、その結果、媒体費用(広告費)が肥大化していったこと、Aしかし、入学者の多くは長野県内出身であり、本学へのアクセスは、グーグル・ヤフーから直接検索で来るケースがほとんどで、大手進学メディア経由は極小で、進学情報誌や進学Webサイトと契約をして莫大な費用をかけても効果はあまりないこと、Bそこで、広範囲からエリア(長野県内)に広告費を集中投下し、高校訪問などアナログ営業の強化により、より具体的な情報提供をしていくことに転換、C大学の情報は広報室で一元管理をし、大学のさまざまな取り組みを地元メディアに取り上げてもらようよにしたこと、など、大学の取り組みを紹介したものでした。
少子化で高校生が減少していく中で、地方の大学の広報戦略として、広範囲に広報をするのではなく、地域を重視して長野県を中心に山梨・新潟県に絞って広報を展開し、広範囲は大学ポートレート、Web利用に切り替えるという戦略は、理にかなっていると思います。入学生の80%以上が長野県内から入学してくるのであれば、広報を全国に広げる必要はなく、地域の高校を大事にした方が学生募集には有効だからです。
私は、在職当時、多摩地域の大学にも、地域の高校を大事にしていくように話をしたことがあり、いくつかの大学では入試広報担当者が地元の高校の教員と信頼関係を築き、指定校枠を設けるなど協力・連携を進めるようになりました。そうした経験からも、松本大学の広報戦略は納得のいくものでした。

清水氏は、昨年11月から運用を開始した「大学ポートレート」について、その目的、役割、今後の活用について報告したものです。その中で、@政府は、大学等の質の保証の取り組みとして、「大学ポートレート」の積極的な活用の促進を求めていること、A小規模大学ほど管理経費に占める学生募集経費の割合が高くなっている現状をふまえ、進学情報誌やWebサイトを運営する業者に高額の費用を払うよりも、「大学ポートレート」を活用する方が望ましいこと、B大学ポートレートには、各大学が取り組んでいる内容を高校生や保護者にわかりやすく工夫して記載すること、また、建学の精神と特色と3つのポリシー(アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシー)が密接な関係を持っていることが分かるように記載し、このポートレートから各大学のHPにいけるように、高校にも働きかけをしていってほしい、と要望していました。

大学ポートレートは、私立大学版が全国の私立大学の89%が参加、国公立大学版もようやく稼働したところで、まだ認知度が低いのが現状です。各大学のHPを閲覧したり、学校案内を入手する際の入口に相当するのが、大学ポートレートです。その役割は今までは、業者の情報誌やWebサイトでした。大学ポートレートが普及していけば、業者に高額の費用を負担しなくても済むことになります。
私も大学ポートレートの私学版を使ってみましたが、現状では、まだ検索機能が十分なものではなく、使えない、
というのが率直な感想です。全大学が参加したものになり、検索機能を充実させることが、当面の課題だと思っています。

私の発表は、『教育学術新聞』に寄稿した「キャリア教育と高大連携」(2015年1月28日)「入試改革と高大接続」(2月4日)をもとにしたものです。
私が桜華女学院高校(現・日体桜華高校)で先生方の協力で取り組んだキャリア教育について、一高校だけで実施するのは難しく、地域の大学や専門学校、事業所などの協力なしには出来なかったこと、それを可能にしたのは、多摩地域では高校と大学や専門学校とのネットワークが築かれていたことが大きいことを述べました。
次に、桜華女学院では、どのような大学進学指導を行っていたかを紹介し、そのうえで、桜華女学院と進学校のアンケート調査をもとに、桜華女学院のような進路多様校の場合は、AO入試や推薦入試で進学する生徒が多く、学校側の教員の指導・援助が比較的大きな比重を占めているのに対し、進学校での場合は、一般入試で進学する生徒が多く、予備校・塾の教員からの情報・指導も無視できない影響を与えていることを述べました。そして、大学から高校への情報提供は、大学のセールスポイント、新設学部・学科がある場合はその概要・特色、入試形態や受験科目の変更点、また各高校には、前年度の受験生の状況、在学生の学習状況、卒業生の進路状況など、HPや学校案内では分からない情報を提供してほしいことを要望しました。
また、昨年12月に中教審が答申をした「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」にふれ、この答申は、高校教育、大学教育、そしてそれを接続する入試の一体的改革を目指すものであり、高校教育、大学教育そのものの改革が求められていることを指摘し、そうだとすれば、高大接続の観点からは、地域の高校と大学が共同で、たとえば個別選抜における多元的・総合的な評価のあり方や初年次教育、のあり方、課題の発見と解決に向けた主体的・協動的な学習(アクティブラーニング)・指導方法などについて、意見交換・研究を進めていくことが考えられると課題を提起しました。そのうえで、多摩地域では長い間、高大連携・高専連携が取り組まれてきた実績をふまえ、高校と大学などでコンソーシアムを構築し、高校と大学の教職員が共同で、高校教育・大学教育を円滑に接続していくための教育のあり方を研究していく取り組みを進めていくことが課題になっていること、地域での高大連携は、高校と大学との相互理解・信頼関係の醸成をはかることができることを述べました。

その後、岩田雅明氏(私学高等教育研究所研究員)の司会で、発表者5人との質疑応答が行われました。
また、グループ討議では、私は、高大連携・接続をテーマにしたグループに参加をしました。そこで出された意見の中には、学長などが広報担当者には相談もなく、本学とあまり関係のない高校と連携協定を結んだりしているが、どのような目的で協定校にしたのか分からないようなことがあること、大学や学生の状況が分からないにもかかわらず、公立の元校長を高校訪問の担当者していること、などがありましたが、私が興味を引いたのは、豊橋創造大学の平松靖一カ氏が、愛知県東三河地域での高大連携の取り組みを紹介してくださったことです。
東三河地域に所在するすべての大学・短大と公立高校が参加して2008年に東三河高大連携協議会を設立、高校生が大学の模擬授業を体験できる「ラーニングフェスタ」を開催していること、この高大連携事業は、地域の高校生は地域の大学で育てるという理念のもと、個々の大学のPRではなく、「学問」という視点で、学ぶことの楽しさ、学ぶことの意義を考えさせることを目的に開催しているとのことです。
多摩地域では、夏休み中のオープンキャンパスで各大学が模擬授業体験のプログラムを組むかたちを取っていますが、1日で4講座を体験できる東三河地域の取り組みも参考になるやり方だと思いました。

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協議会には全国から約200名の広報担当者が参加し盛況でした。休憩中には、新宿セミナー時代からお世話になり存じ上げている東京医療学院大学の武川洋介さんが挨拶に来られ、また、日本体育大学広報課長の大海二朗さんが挨拶に来られ、日体桜華でも小林節校長が解任されたあと、併設校の各学年の授業に合わせて大学からの出前授業を行うように改善をして高大連携事業を行っているとの話をしてくださいました。
さまざまな大学の広報活動を知ることができ、私にとっても勉強になった協議会でした。

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