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zoom RSS 「朝日パッシングとジャーナリズムの危機」

<<   作成日時 : 2014/10/17 08:17   >>

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朝日新聞の「慰安婦」報道の検証結果で吉田清治証言を虚偽として記事を撤回したのをきっかけに、産経新聞、読売新聞をはじめ、週刊文春、週刊新潮、週刊現代、週刊ポストなどの週刊誌、正論、WILLなどの雑誌が一斉に、「売国」「反日」「国益を損ねた」などと朝日新聞に対して激しいパッシングを加え、安倍政権の歴史修正主義に荷担し、本来、権力を監視し批判をすべきジャーナリズムの立場を放棄するような状況が生まれています。このような「朝日パッシングとジャーナリズムの危機」の状況に対して10月15日、緊急シンポジウムが東京・文京区民センターで開かれ、参加してきました。

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第1部では、篠田博之さん(月刊「創」編集長)の司会のもと、池田恵理子さん(「女たちの戦争と平和資料館」館長、元NHK職員)、山口二郎さん(法政大学教授、「負けるな北星!の会」呼びかけ人)、辰農哲郎さん(ノンフィクション作家、元朝日新聞記者)、香山リカさん(精神科医)、下村健一さん(慶應義塾大学特別招聘教授)が、それぞれ発言しました。

池田恵理子さんは、8月の朝日の「慰安婦」検証記事報道以降、朝日へのパッシングが激しくなり、ヘイトスピーチ並みの罵詈雑言があふれているが、吉田清治証言の記事取り消しで「慰安婦」問題そのものがなくなったかのように虚報が山のように出ている状況を批判しました。また、「中央公論」には朝日新聞の第三者委員会の委員になった北岡伸一氏が、吉田証言を引用したクマラスワミ報告も撤回すべきだと書いており、朝日は大丈夫だろうかと危機感を持っていると述べました。
山口二郎さんは、北星学園大学非常勤講師の植村隆さんが、朝日の記者時代に「慰安婦」報道に携わったことから、退職を強要し、辞めさせなければ学生を殺傷するという脅迫文を送り、ネットには家族の写真も公開されている事態に対して、大学の人事への介入を許せば、大学の自治、学問の自由の意味がなくなる、と危機感を表明しました。
香山リカさんは、在日韓国人に対するヘイトスピーチの活動が続き、橋下大阪市長のような公的立場の人すら口汚くののしる言葉が発せられる空気が作りあげられている、その延長線上に今回の朝日パッシングが起きているとし、それは、自分以外に敵をつくり徹底的にたたく社会の病であるとし、自分の不安に目を背けることでは解決にならない、と語りました。

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第2部では、青木理さん(ジャーナリスト)、新崎盛吾さん(新聞労連委員長)、野中章弘さん(アジアプレス代表)、永田浩三さん(武蔵大学教授、元NHKプロデューサー)の他、現職の朝日新聞記者の武田肇さんも登壇され、それぞれ発言されました。

青木理さんは、誤報はメディアにはつきものであり、誤報は許されないが、誤報が分かれば速やかに訂正・謝罪することが必要だとし、朝日が批判を受けるのは仕方ないにせよ、権力を監視するのがジャーナリズムの仕事なのに、「売国」「反日」「国賊」「国益を損ねた」などと批判する現状は、戦後日本の大きな転換点に起きた事件として強い危機感を持っていると語りました。
武田肇さんは、社長の会見の祭に「自浄能力がないのではないか」と質問があり、悔しい思いをしたとし、内部で議論を重ねているが、外の人とつながる議論をしなくてはいけないと思っている、と話しました。
野中章弘さんは、武田さんがこの集会に出てくるのは大変なことだと評価したうえで、日本のジャーナリズム全体が後退している中で、権力と対峙する力を持っているのは朝日新聞で、民主主義の防波堤の1つになっていること、しかし、朝日の経営陣は、読者にではなく、政府や外部の批判勢力に目を向いており、民主主義を守るのは、言論機関で働いている個人、つまりジャーナリストとしての仕事をまっとうにしている人を守ってくことが求められている、と話しました。

議論の中では、青木さんが、木村社長の会見の際に「自浄能力がない」と詰め寄ったのは読売の記者であることを明かし、朝日は迷走しているが、ジャーナリズムたろうという姿勢は社内に残っていることは大事である、と話しました。また、雨宮処凛さん(作家)は、「売国」「国賊」などの言葉が普通に聞かれるようになり、暴力的な空気が強まっているのを危惧している、と発言しました。

篠田博之さんは、まとめの発言で、植村問題では、産経も読売も「許せない」という社説を出したのは、言論の自由に関してはまだ共通の基盤があるとし、朝日パッシングはジャーナリズム全体として心配な状況にあるがジャーナリズムを何とかしなくてはいけないという人もいるので、良い方向に向けて行ければと思っている、と語りました。

現在の激しい朝日パッシング、北星学園大学・帝塚山学院大学への脅迫に見られる社会状況は、1930年代の社会状況と重なり、戦後の日本が歴史的にも大きな曲がり角に来ているのではないか、と強い危機感を抱かざるをえません。マスメディアが本来のジャーナリズムに立ち返ることが求められています。この集会で議論されたことが、少しでも社会に広く伝わることが大事だと感じました。

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