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zoom RSS 日本キャリアデザイン学会第11回研究大会

<<   作成日時 : 2014/09/16 00:07   >>

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日本キャリアデザイン学会第11回研究大会が9月13日・14日の両日、東京家政大学板橋キャンパスで開かれ、参加してきました。

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第1日目は、午前・午後に自由研究発表、総会、会長講演がありました。
自由研究発表は、「大学におけるキャリア教育」部会と「キャリア接続」部会に参加しました。参加した部会は大学でのキャリア教育、大学生の就活と初期キャリアに関する発表でしたが、金森敏さん(松山大学)の「インターンシップの効果を再考する」と川ア友嗣さん(関西大学)の「大学生の基礎学力と社会人基礎力の源泉」の発表が印象に残りました。
金森さんの発表は、インターンシップに参加した学生としなかった学生との比較調査で、参加している学生は大学での学びと将来を考えている学生で、大学の授業だけで将来を意識していない学生や将来のことを考えていても大学の授業に意欲が低ければインターンシップに参加しないこと、また、企業はインターンシップを肯定的に評価しているものの、事前の期待と事後の効果に分けて考えてみると期待を下回る効果が多かったことを明らかにしたものです。この発表からは、インターンシップに参加しないような学生にどう働きかけ、支援をしていくのかが問われ、また、学生にとっても企業にとっても意味のあるインターンシップのあり方も問われているように思いました。
川アさんの発表は、基礎学力と社会人基礎力の規定要因を探ること戸基礎学力と社会人基礎力の関係がどうなっているのかを検討することを目的に、SPI模擬試験と、「学生生活の過ごし方とSPI対策に関する調査」をもとに分析したもので、その結果は、学業関係が充実してるほどSPI模擬試験の成績は良好であること、課外活動や友人交流が充実しているほど社会人基礎力の得点が高いことが明らかになり、2つの「力」には相関が見られないので、学生の特徴やタイプに応じた支援が必要があることを示唆したものでした。

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会長講演 中村恵会長(神戸学院大学)

第2日目は、午前中が自由研究発表、午後は特別講演とシンポジウムでした。
午前の自由発表は「中等教育・専門学校におけるキャリア教育」部会に参加、司会を担当しました。
発表の中では、山田智之さん(町田市立鶴川第2中学校)の「中学生のライフキャリアイメージと自律的学習動機の関係」と日高淳さん(法政大学大学院)の「理容美容専門学校卒業生の初期キャリア」が印象に残りました。
山田さんの発表は、生徒に人生双六の絵を描かせ、双六に出てくる語句を、スーパーのキャリアレインボウの人生役割をもとに分類し、市民関連のの語句が、他の人生役割に関する語句と比べて、「誕生〜現在」「現在〜死」ともに極端に少ないことから、キャリア教育の課題が浮かび上がっていること、ライフキャリアイメージと自律的学習同期に与える影響については、「誕生〜現在」「現在〜死」ともに学生に関するイメージが豊富なほど学習同一化的調整を高め、「現在〜死」においては労働者に関するイメージ・家庭人に関するイメージが豊富なほど学習内的調整を高めると考えられるとし、自立的学習動機を高めるためには、生徒に学生であることの自覚を促し、将来の自らの姿である労働者や家庭人に関連したライフキャリアイメージを基本にしながらキャリア教育の取り組みを工夫することが重要であることを明らかにした発表で、興味深い発表でした。
日高さんの発表は、美容専門学校卒業生の卒業後1年目の離職状況と離職要因の類型化を試みたもので、就職者の26%が1年目で離職していること、離職要因としては「人間関係」「職場幻滅」「労働条件」「ミスマッチ」「健康障害」の順になっていること、今後の課題として、徒弟的職業世界という職場環境、職場の雰囲気への適応、「ミスマッチ」や「職場幻滅」というアスピレーション冷却、離職後に次の転職への移行という問題がある中で、(1)学校教育と職業世界のギャップ、(2)職業世界のリアルを伝えるキャリア教育の提案、(3)クラス担任(専門学校)とのつながりの構築が求められるというものでした。美容師やネイリストなどの職業に憧れる高校生が多い中で、早期離職が多い現状と離職理由の類型化を試みた発表で、美容学校における職業教育のあり方とともに、高校側の専門学校への進路指導のあり方をも問う発表であったと思っています。

午後の特別講演は、石川県和倉温泉「加賀屋」社長の小田與之彦氏による「加賀屋の人材育成と海外展開」というテーマでの講演でした。加賀屋におけるおもてなし、そのおもてなしの心を継承する人材育成と社員教育、働く環境の整備と社員の定着、海外展開(台湾での加賀屋北投の開業)について、興味深いエピソードを交えながら話されました。

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小田與之彦氏

シンポジウムは「キャリアデザインの創造的相互作用〜10年間の省察と今後の展望〜」をテーマに、佐藤厚さん(法政大学)の基調講演のあと、コーディネーターに玄田有史さん(東京大学)、コメンテーターに佐藤厚さん、パネリストに心理学から川ア友嗣さん(関西大学)、教育学から児美川孝一郎さん(法政大学)、企業から平林正樹さん(日本IBM)、経済学から脇坂明さん(学習院大学)がなり、活発な議論が行われました。

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佐藤さんは、この10年間のキャリアデザイン学会の研究大会発表、学会誌『キャリアデザイン研究』掲載論文等をもとに研究蓄積を分析し、教育学的研究(初期キャリア)、企業側の初期キャリア研究(労働経済学的研究、人的資源管理論的研究)は蓄積されてきているが、中高年期から引退過程に関わる後期キャリアの研究、心理学的研究、労働法学的もしくは政策的関心の研究は蓄積が少ないことを明らかにし、今後の課題として「キャリア自律(自立)」がキャリアデザイン研究のキーワードの1つになるのではないか、と問題を提起され、川ア、児美川、平林、脇坂さんからは、それぞれの学問領域と企業の立場から、この10年間を振り返りながら、各領域との「創造的相互作用」のあり方、今後の展望について発言がありました。
シンポジウムを聞きながら、学問領域の立場をもちつつ、つまりボーダーをこわさずにお互いに越えていくことが創造的相互作用であること、キャリア自律についてもさまざまな分野からの知見をもとに議論をしていくことの必要性が確認されたように感じました。

来年度の研究大会は9月に北海学園大学で開催されることになっています。何か発表できるように研究を進めたいと思っています。

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